我が国の痛みの医療は、欧米諸国より20年以上遅れていると言われています。
筋膜性疼痛症候群(MPS)という痛みは、ありふれているにもかかわらず、医療従事者の多くが知りません。
そのため、筋膜性疼痛症候群(MPS)は、他の色々な病気と誤診され、不要な手術や投薬が行われているケースもあると聞きます。
当院は、筋膜性疼痛症候群(MPS)と呼ばれる痛みの治療に力を入れています。
第9回日本運動器疼痛学会より抜粋
https://www.facebook.com/2016JAMP/
http://www.pcoworks.jp/jamp2016/
筋筋膜性疼痛(Myofascial Pain: MP)とは、「トリガーポイント(TP)」が見られる局所的な筋性の痛み、と定義されているが、簡単に言えばいわゆる筋肉痛である。
近年多少知名度が上 がってきたが、医学的にほとんど注目されず、体系的な研究もほとんどされていない。
一方で、慢性痛患者の60~80%にみられる病態であり、MPが痛みの 主因であることも珍しくない。
血液検査、画像検査などで異常は全く見られず、臨床所見上は当該部位の筋内に索状物をふれ、索状物中にあるTPを刺激するこ とで痛みを再現できる。
重い、鈍い、鋭い、拍動性の、(神経障害性痛のような)ピリピリした、など痛みの性質は様々である。
痛みの部位や性状から、他の疾 患による痛みと間違えられることもある。
たとえば、腹部の筋群のMPが腹部臓器の疾患による痛みと誤認され、様々な検査や(手術を含む)治療を受けてし まった患者も複数いる。
MPを診断する際に最も重要なのは、「痛みの原因はMPではないか」と思いつくことである。
MPに対する薬物療法の効果は限定的であり、強オピオイドを十分量使ってさえも十分な鎮痛は得られない。
治療の中心となるのはTPを対象とした各種トリ ガーポイント療法(局所麻酔薬注入、鍼灸療法、マッサージ、温熱療法など)で、それに運動療法(ストレッチングやエアロビクス的運動)と心理療法(リラク ゼーションなど)を組み合わせる。
ただ、根本的な治療には、MPが起こり、維持されている原因を見つけ出し対処することが重要となる。
原因として考慮すべ きこととしては、運動不足や(逆に)過剰な運動、職場や日常生活上での不適切な姿勢、肥満やるい痩、睡眠障害、睡眠時無呼吸症候群、アルコール多飲、喫 煙、過剰な薬剤摂取(ベンゾジアゼピン系、NSAIDs、筋弛緩薬、オピオイド系鎮痛薬など)である。
すなわち、MPは、特に慢性化してこじれた場合、生活習慣病であり、患者自身が気付いていないこともある生活習慣の歪みを根気よく修正していく作業が必要となる。
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ebara / 2016年05月11日(水) 07:58
前回のブログで、急性痛とは、例えれば、包丁で指を切った時に、早く止血しないと命にかかわりますと、自分に危険を知らせてくれる信号です。
と説明しました。
今回は、慢性痛についてよく分かる動画、5分でわかる(痛み)と痛みへの対処法)!!
を案内しますので、長引く痛みでお困りの方は、参考にしてください。
上の動画にあるように慢性痛と呼ばれる痛みは、脳の認知が大きく関わっていると言われていますが、脳の認知を変えるには、きっかけが必要です。
また、慢性痛と戦う上で心のサポートも不可欠です。
当院は、慢性痛と呼ばれる痛みの治療だけでなく、慢性痛と戦う患者さんの心のサポートにも力を入れています。
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ebara / 2016年04月29日(金) 09:18
痛いと言う訴えの中に、色々な痛みが混在します。
痛風やリウマチのように炎症が関与した痛み、外傷などによる組織の損傷による痛み、帯状疱疹の痛み、何かを庇うための痛み、原因がはっきりしない痛み etc
レントゲンやMRI検査のような画像では、軟骨のすり減りや、椎間板ヘルニアを見つけることができても、痛み自体は見えません。
また、慢性痛と急性期の痛みが混在している場合もあるでしょう。
まずは、下の動画を見て、急性痛と慢性痛の違いをしっかり理解しましょう。
そして、諦めずに立ち上がりましょう。
急性期の痛みとは、ケガをして出血しているので、早く止血しないと命にかかわりますと、自分に危険を知らせてくれるような、生理的な反応です。
慢性痛とは、ケガが治ったにもかかわらず、いつまでも続く痛みです。
慢性痛と呼ばれる痛みに、当院で行う施術が、お役に立てるかもしれません。
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ebara / 2016年04月22日(金) 15:46
守屋徹先生のブログ(脳-身体ー心)の記事、除外しなければ、なにも始まらないことがあるより抜粋
ありふれた症状であっても、どこか理屈に合わなかったり、奇妙な発症の仕方をするケースでは、除外する見立てをしなければ何もはじまらない。
腰下肢痛だから、筋筋膜痛の痛み(MPS)だとか、治療に反応しないから、脳や心の問題と決めつけてはいけません。
また、自費での鍼灸や代替医療に来られる患者さんの多くは、まずは医科にて、何かしらの診断を受け治療を行っていたが、思うような効果が表れないので、来院されるケースが殆どだと思います。
医師の診断が必ずしも正しいとは限りませんから、診断権は無くても判断をしなくてはいけません。
当院のような小さな院でも、骨盤内、脊柱の腫瘍からと考えられる腰下肢痛のケースが、ここ数年で3人おられました。
超音波エコー観察装置を導入したのも、エコーガイド下で鍼を行うのが大きな目的では無く、運動器の痛みに対して、予め病態を把握し、トリガーポイント鍼灸が効果があるか否かを判断するためです。
例えば、バネ指と呼ばれるものに、トリガーポイント鍼灸が効果を発揮することがあります。
しかし、同じバネ指でも、ガングリオンが介在したようなものを、トリガーポイント鍼灸でどうにかしようとするのは、現実的ではありません。
超音波エコーで観察すると、上記のような事がわかります。
また、先日も4ケ月前に足首を軽く捻ってから、いまだに夜間も痛みが続くと言う方が来院されました。
私の院に来られる前に、病院でレントゲンで異常が無いと言われ、他の接骨院で治療を受けておられたそうです。
私には、ただの捻挫に見えなかったので、患部をエコーで観察すると、血管が滑膜に入り込んでいる様子が観察できました。
いわゆるリウマチで起こるエコー像です。
信頼のおける医師に診断をお願いしたところ、やはりリウマチからの痛みと言う診断でした。
全ては、守屋先生が仰る通り、除外する見立てをしなければ何も始まらない!ですね。
私自身のブログにも、治療技術で悩む前の義務と題して、病態の把握の重要性を記事に書き留めていますが、治療が適応か否か、つまり、病態の事前把握は最重要課題です。
画像は、東京女子医科大学付属病院膠原病リウマチ痛風センターより引用
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ebara / 2015年09月12日(土) 07:11
日本の痛み医療は、欧米よりも20年以上遅れているとも言われています。まずは、痛みを長引かせない事が重要です。残念にも、痛みが慢性化した場合、動画にあるように、魔法のような薬や治療は存在しませんから、社会全体で支えるシステムの構築が急務です。
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ebara / 2014年12月31日(水) 09:01
トリガーポイント注射で治す腰痛膝痛-なぜ整形外科医は整体・カイロを勧めないのか?
代替医療家が言うのではなく、帝京大学医学部整形外科の小林誠准教授の言葉ですから、言葉の重みが違いますね。
この本の著者の小林誠先生や、筋筋膜性疼痛症候群(MPS)研究会に所属する加茂先生をはじめとする、代替医療を認めてくださる医師の存在。
なかでも、山下徳次郎先生のように、麻酔科医でありながら、ほとんど麻酔を使うことなく、トリガーポイント鍼療法で痛みの患者さんに向き合う医師の存在は、患者さんだけでなく、私のように鍼しかできない者にとって、大きな希望の星となっています。
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ebara / 2013年08月24日(土) 11:00
今更ですが、トリガーポイント、責任トリガーポイントについての解説をと思ったのですが、読むより見る方が理解できると思いますので、私が所属するトリガーポイント研究会の資料を貼り付けます。
クリックすると画像を見る事ができますので、興味がある方は参考にしてください。
当院で行っている、トリガーポイント療法は、責任トリガーポイントの治療出来れば最良の効果が出ると考えられています。
責任トリガーポイントは、押えて痛いだけの圧痛点や、筋肉の中ににできた硬いしこり(硬結)と呼ばれるものではありません。
近年研究が進むにつれ、責任トリガーポイントについて新たに分かって来たこともありますが、画像資料には最新の考えが反映されていない部分もあるかもしれません。参考にされる方は、予めご了承ください。
「トリガーポイントとは何か?」
http://p.tl/9vSx
「責任トリガーポイントとは何か?」
http://p.tl/KBXf
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ebara / 2013年07月24日(水) 07:06
腸の検査で、長いあいだ同じ体勢で横になってから、下腹部あたりの筋肉が痛くなり、そのうちに良くなるだろうと思っていたら、三ヶ月で痛みは全身に広がり、正座もできない、腕が痛くて神棚の水も交換できない、日常生活すべてが痛みで困難、痛みのため不眠気味と言って来院された、高齢の女性の患者さん。
病院では特に異常は見当たらない、足の痛みは坐骨神経痛という診断。ロキソニが、この三ヶ月の間、毎食後飲むように処方されています。
全身の痛みを訴えても、足の痛みは坐骨神経痛なのでロキソニンを飲むように、それ以外の痛みは他で診てもらうように言われているそうです。
これは、実際の話です。
私は医師ではありませんから診断はできませんが、線維筋痛症の予備軍として、心身共に治療すべき患者さんに思えました。
少なくとも、除痛効果が殆どなく、長期服用で胃潰瘍や腎臓疾患リスクの副作用があるロキソニンが、長期処方されている意味がわかりません。
なんとか少しでも、痛みが和らぐお手伝いができればよいのですが、ご自身で、痛みを知る!そして、自分に何が必要で何が不要なのか?治療戦略を立てなければいけません。
それは不可能に近いことも事実なのです。
少なくとも、痛みに対する理解者が、社会で一人でも多く増える事が望まれます。
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ebara / 2013年05月15日(水) 07:48
筋肉は単独で動いているわけでなく、互いに膜で繋がっています。
その膜系は、コラーゲンやエラスチンから出来ていると言われています。
それが固まって、うまく作用しない物は、煮こごりのような物をイメージすると分かりやすいかもしれません。
煮こごりは、温めたり、振動を加えると軟らかくなりますから、関節の動かし始めは痛いけれど、動かしている間に楽になると言う痛みは、膜系の痛みのような気がします。
もし、炎症が原因であれば、動かしていれば痛みが増すのではないでしょうか?
世界中に、筋肉や膜系の治療が存在するということは、簡単な方法で痛みが楽になるという経験があったからだと想像できます。
膜系のトラブルが痛みに大きく関与しているのであれば、膜系は身体じゅう繋がっている訳ですから、痛い場所以外を操作して良くなるのも何ら不思議ではありません。
こんなものもあります⇒http://www.youtube.com/watch?v=IS3-JUU2mk4
また、膜系の歪みは、同じ動作の繰り返しなどや外傷以外にも、年を取ると肌がカサカサしたり、背が縮んだり、シワが出来たりします。
簡単に言えば水分が抜ける(保水力の低下)訳ですから、加齢とともに、膜系の柔軟性が抜けて傷みやすくなると考えられますから、高齢者に動かし始めの痛みが多いのもうなずけますね。
ぷるんぷるんの煮こごり
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ebara / 2013年05月01日(水) 14:03