痛みに関する話題を綴った日記です。
先日のセミナーで、スタッフの先生から紹介いただいた本を取り寄せました。
まだ、パラパラしか見ていませんが、なかなか分かりやすく書かれています。
カテゴリ:読書
ebara / 2012年05月16日(水) 08:44
教科書で解剖学を学ぶことはできますが、実際の臨床では筋肉の大きさ、張り、骨の大きさ、性差、etc
条件が違いますから、補正が必要です。
何より、実際の体は立体的だと言うことです。
補正して貰わないと、本を読むだけの独学だけでは厳しいものがあります。
上達への近道は、基礎を積み重ねていくことしかありません。
立体の骨を皮膚にマーキングするのは、案外難しいです。
カテゴリ:鍼灸
ebara / 2012年04月23日(月) 12:22
トリガーポイント研究会 HPより抜粋
http://k-tp.jp/professional/reference
Myofascial Pain and Dysfunction: The Trigger Point Manual
TPについての記念すべき金字塔であり、全ての骨格筋について、トリガーポイントの診断、治療が述べられた本です。
然し黒岩が、鍼灸技術に含まれる暗黙知と鍼灸治療の経験知を用いてトリガーポイント検索法を確立し、「責任トリガーポイント=発痛部」仮説を誕生させた(2000年頃)今となっては、読む意義は殆ど失われたと言えます。
下の画像は、僧帽筋の上部が頭痛のように感じてしまう、TPの関連痛パターンを示したものです。
私は、患者さんに自分が感じている痛みが、実は遠く離れたところに原因があると分かって貰うために使用するくらいで、関連痛パターンだけで筋を同定していくことはありません。
トリガーポイントの概念も、約30年前にTravell & Simons博士の本が出てから、研究が積み重なり大きく中身が変わったようです。
臨床の現場では、関連痛パターンから逆算して、罹患筋を細かく同定していくのは、とても難しいように思います。
それに、痛みを抱えている時間が長い場合、ひとつの筋肉だけが悪いと言う事は稀ですから、罹患筋の特定を関連痛パターンのみから検出するのは、取りこぼしが多くなる危険性を含んでしまいます。
カテゴリ:鍼灸
ebara / 2012年04月10日(火) 08:46
下の図の左に書いてある物は、要痛原因因子とされる構造の異常の事です。
これらは、画像診断で診断が可能です。
しかし、腰痛患者よりも、腰痛患者で無い方が、構造異常が多いと言うことは、腰痛の原因と言うには無理があると言う理論が成り立ちます。
画像診断は、悪性腫瘍や骨折、上記のような構造破綻は診る事ができても、痛みの原因事態を特定できるものは、極稀なのです。
レントゲン検査には、被爆と言うリスクも付きまといますから、最小限度にとどめたいものですね。
カテゴリ:医療情報
ebara / 2012年01月17日(火) 12:54
読み終わりましたが、最近読んだ本の中では、一番の良書でした。
生きていく上で、治療家として、ヒントがたくさんありました。
常識とは、正しいことではなく、単なる、先入観の堆積物にすきない。
(あっ、そっか)と(まあ、いいか)このつぶやきが治癒力を引き出す。
院の貸し出し本に追加します。
カテゴリ:読書
ebara / 2011年12月30日(金) 01:42
60ページ から引用。
現代は誰もが心と向き合わなければならない時代です。心身症を生活習慣病と考えるべきだと思います。
院の貸出本に追加します。
新品を注文して、明らかなUSED商品では、気分も萎えます(笑)
カテゴリ:読書
ebara / 2011年12月23日(金) 08:44
m_chiro先生が、熊澤孝朗先生にインタビューされた時の記事です。
このインタビューは、以前にもブログにUPしましたが、最近読み直す事があり、新たな発見や再認識させられる部分が多々ありましたので、一部抜粋して、備忘録にしたいと思います。
臨床家はそういう患者の訴えがあったら、それをまともに受け止めるべきです。
それが痛みというものだと。
極端なことを言えば、患者が痛いと言えば痛いんだと。
そう思わねばならないですね。
慢性痛症においても、痛みがあれば人間は必ずそれを防御する姿勢をとる。
慢性痛症の場合は末梢に原因がない痛みですが、痛みを感じる部位は存在していて、それをプロテクトする。
変な姿勢を何週間も続けていれば、健常な人でも痛みが起こりますよね。
つまり、防御姿勢をとり続けるがために末梢組織に2次的な障害を起こして急性痛が発生してしまう。
こういう経過で慢性痛症の痛みと2次的に発生した急性痛とが混在しているわけです。
これらを鑑別して治療にあたることが重要ですね。
防御によって起こる痛みにも対処する必要があるし、鑑別する必要があります。
そういう現象に対しては医者には手が出ないことが多いですよね。
そこにコメディカルの働く場所がある。
慢性痛症の痛みでも、その患者さんはそこが痛いと思っていたのが、実はそれは防御姿勢が起こした痛みで、2次的に発生した痛み、つまり急性痛であることがあります。
これは、そこにある組織が障害を受けたことによって出た痛みであって、普通の生理的な痛みです。
まずはその痛みに対処することです。
そこから慢性痛症の治療が始まるわけです。
その2次的な痛み、そういう痛みを取り除くだけで、かなりの患者さんが痛みから逃れられる。
防御姿勢などによって増幅された痛みを取り除いてから、次に、慢性痛症の痛みを真っ当に慢性痛症として治療してもらう。
上記、青色のような概念が、痛みを診る側に欠落している訳です。
こう言う概念が普及すれば、手術適応になる病態は限りなく少なくなるはずです。
少なくとも、MPSと言う病態への理解が深まれば、救済される患者さんも増えるはずです。
カテゴリ:痛み痺れ
ebara / 2011年12月07日(水) 07:32
http://fibro.exblog.jp/15033764/
線維筋痛症を抜きにした腰痛の議論はナンセンス
線維筋痛症を知らなければそれよりも広い概念であり患者数の多い慢性広範痛症や慢性局所痛症は当然知りません。
ましてや中枢性過敏症候群は全く知りません。「腰痛にはストレスが関与している。」では不十分です。
日本以外の先進国では線維筋痛症は常識です。
下の図では、線維筋痛症、慢性広範痛症を合わせると12%になります。
8~9人に1人が、長引く痛みに苦しんでいると言うのに。。。
何故、日本整形外科学会は線維筋痛症を認めないのでしょうか?
原因不明と言われる腰痛85%の中に、線維筋痛症、慢性広範痛症、慢性局所痛症の患者さんが数多く居るのは、容易に想像できそうですね。
カテゴリ:痛み痺れ
ebara / 2011年12月02日(金) 08:02