脊柱管狭窄症と言う診断を、複数の病院で受けておられる高齢の患者さんが、隣県から通院してくださっています。
6年ほど前から、100メートルも歩くと脚が痺れて休まなければいけない。
間欠性跛行と呼ばれる病態です。
脊柱管狭窄症と診断されてからも、何度もギックリ腰になり、病院に行くたびに手術を勧められるそうです。
最近では、体位を変えようとすると、脚が攣り激痛が走るそうです。
治療中に、触察しようと他動的に脚を動かす時にも、何度も攣るのでなかなか治療が進みませんでした。
あれだけ激痛で攣った脚が嘘のように攣らなくなった。
恐くてまだ長い距離は歩いていないが、週末は立ち仕事も楽にこなせて、自分の脚ではないように軽い。
長時間の座位などでも脚が痺れたが痺れ無くなった。
二回施術が終わった時点での感想をいただきました。
この方の症例を通して感じる事は、改めて、腰下肢痛の原因が脊柱管狭窄症で起こると言う説への大いなる疑問。
腰痛の85%が原因不明で、心理社会的要因と言う事で処理してよいのかと言う疑問です。
先日のブログ記事、腰痛の大半が心理社会的要因によるもの?にも書いていますが、こんな単純な治療をたった二回
行っただけで、長年の痛みがこれだけ良くなるのなら、構造破綻モデル、心理社会的要因、両極端と
も言える考え以外に、もっと他に何かあると気付かなければいけないのではないでしょうか?
救済される患者さんは一向に減らないどころか、逆に増えてしまうのではないかと危惧してしまいます。
カテゴリ:鍼灸
ebara / 2011年11月24日(木) 08:51
80代の女性の患者さんが、数日前にトイレで長時間いきんでから、座ると足が痺れて仕方がないと言って来院されました。
ここまでは、何も珍しくないのですが、この患者さんは、私の悪い所はここです!と左右の大殿筋の上縁部を押さえて示して下さります。
ここが張って来ると足が痺れますと仰ります。
大殿筋の上縁部の索状硬結を丁寧に触察すると、患者さんが、あ~そこ!そこ!と言って反応されます。
リリースすると、あ~楽になったと言って帰っていかれました。
この患者さんは、トリガーポイントや関連痛の知識はないはずです。
少し不思議な症例でしたが、こんな患者さんばかりなら、手っ取り早いですね。
カテゴリ:鍼灸
ebara / 2011年11月18日(金) 08:52
トリガーポイント式チャート
私は患者さんに分かりやすいように、トリガーポイント式チャートを使います。
他にもトリガーポイント関連の書物を何冊か持っていますが、痛みはトリガーポイントだけで語れません。
トリガーポイント療法も、色んな書物に記載されている、トリガーポイントの関連痛パターンは参考にはなるのですが、それだけでに頼っていては不十分かもしれません。
http://mchiro.exblog.jp/14468586
特に、近年出て来た慢性痛症と言う病を治療していくには、一つだけの治療方法だけでカバーするのは難しいでしょう。
しかし、多くの場合トリガーポイント療法を有効に使えば、かなりの効果があげらるのも事実です。
私も、TP療法については初学者ですから、まだまだ手探りでやっている部分があります。
多裂筋、腰腸肋筋などの脊柱起立筋群を押さえて下肢まで関連痛が出る場合は、その奥にある大腰筋への刺激で下肢に関連痛が出ているのかもしれません。
このような場合は、どのような動作で痛みが出るのか?
そして、体位を変えて大腰筋を触察しても関連痛が出るのか?
また筋肉の状態はどうか?
など総合的に判断して罹患筋を探っていきます。
ただ、罹患期間が長い場合など、単独の筋肉だけが悪いと言う事はないでしょから、少しづつ片づけていくしかありません。
トリガーポイントの関連痛パターンだけでなく、動作時痛や触診から得られる情報をフル活用する事で、やみくもに治療するよりは遥かに効率的よく治療ができるように思います。
・江原鍼灸整骨院.
・京都市中京区西ノ京御輿ケ岡町10番地
・電話 075-463-8639
・営業時間 9:00~12:00 16:00~19:00(水・土 午前中)
カテゴリ:鍼灸
ebara / 2011年08月20日(土) 16:00
トリガーポイント鍼とトリガーポイント注射は同じようなものですか?と言う質問を患者さんから聞かれる事がありますので、私なりに書いてみたいと思います。
トリガーポイントの考え方も研究者によって微妙に違いますので、あくまで私見として捉えて下さい。
トリガーポイント鍼は、簡単に言えば活性化したトリガーポイントを見つけ出し、鍼をして不活性化させます。
あくまでターゲットは、活性化したトリガーポイントです。
注射の場合、圧痛点に行う局所麻酔の注射をトリガーポイント注射と呼ぶようですから、特にトリガーポイントをターゲットにしなくても良い訳です。
言いかえれば、トリガーポイント注射をする医師にトリガーポイントやMPSの概念がなく、全く関係の無い場所に注射をしても、その注射自体がトリガーポイント注射と言う事になります。
痛みは、もちろんトリガーポイントだけで語れませんが、トリガーポイント療法の延長線上にトリガーポイント注射を選択される場合は、医師にトリガーポイントやMPSの概念があるか?無いか?
ここが、重要なポイントになりそうです。
トリガーポイント鍼、トリガーポイント注射、双方に長所があります。
医師や施術者と相談しながら、うまく組み合わせればよいと思います。
私が考える、トリガーポイント鍼の長所
薬を使わないので、薬の副作用の心配がない。(授乳中の腱鞘炎など)
鍼が注射針よりも細い、また長い鍼があるので、殿部、腰部の深い筋肉の治療が可能。
薬液を入れ麻痺させないので、トリガーポイントに当たったかどうかが分かる。
筋骨接合部のトリガーポイントができやすいところを治療することができる。
(鍼先が傷みにくい、注射鍼はすぐに傷む)
私が考える、トリガーポイント注射の長所
健康保険が効くので、経済的な負担が少ない。
鍼に比べて、一回の治療時間が短く済む。
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ebara / 2011年05月21日(土) 07:49
鍼の長さは、通常一寸、一寸五分、二寸 などと表記されます。
ディスポ鍼は、通常二寸までが流通しています。
三寸などもあるのですが、使い捨てにするには高すぎるのがネックになります。
そんな時は、使い捨ての中国鍼の二寸五分を利用します。
殿部の筋の筋骨接合部や大腰筋を狙う場合、二寸の鍼では長さが足りない場合があります。
私は、身長174センチ、体重が70キロですが、殿部の最深部には二寸では届かないところがあります。
長い鍼の扱いは、短い鍼以上に技術が必要になりますから、自分の腰や殿部に打って普段から慣れておきます。
首のリスクがある部分でも、(リスクがあっても気を付ければ出来る場所)鍼をせざる負えない場合があります
そう言うポイントもまずは自分の首で試してみて安全性を確認しておきます。
昨日も、自分の殿部に中国鍼、鼠径部には普段使う鍼で自己メンテナンスをしました。
鍼の部分は、7.5センチ。
太さは5番、0.24ミリ。
カテゴリ:鍼灸
ebara / 2011年05月12日(木) 12:01
最近、使い捨て鍼のメーカーを変えてみました。
トリガーポイント/掃骨鍼法のコミュを参考にさせてもらいました。
そこで、新しい鍼の感触を試す為に、最近少し痛みのあった自分の腰に鍼をしてみました。
自分の腰に鍼を打つって、ちょっとイメージできないでしょ?
両手が使えるところならば、自分の身体のどこにでも鍼を打ちます。(^-^)
両手が使えても、左の臀部は、右利きの私は身体を大きく捻らなといけないので、身体が攣りそうになるので難しいですが。。
鍼の感触ですが、以前使っていたメーカーよりもしなやかで、同じサイズなら以前の鍼よりも細く感じます。
あまり使う機会はないでしょうが、腰や臀部の深い部分に対応するために、75ミリの中国鍼タイプの鍼も今回あわせて購入しました。
PS 鍼の刺激は患者さんに合わせて決めますので、全員に刺激の強い治療をする訳ではありません。
長さ75ミリの中国鍼。
カテゴリ:鍼灸
ebara / 2010年09月10日(金) 13:07
昨日のトリガーポイント研究会のセミナーは、腰痛の鍼実技でした。
そこで、ペアになった先生の触診や切皮自体がすごくマイルドで、特に鍼を打つ前に行う触診が丁寧で心地よく、それ自体が治療のように感じました。
自分に置き換えると、触診や切皮に無駄な力が入りすぎているようにも思え、言い方を変えると、
知らず知らずのうちに少し荒っぽくなっていたのでは無いかと考えてしまいました。
下手な触診は、患者さんによい影響をもたらすはずはありませんよね。
触診だけに限らず、うまい人のモーションパルペーションも同じような効果があるように感じます。
昔から、手当てと言いますが、触れている事自体が治療にもなるはずですし、何かしら生体に介入しているわけですから。(自分も患者さんから介入されているわけですが)
腰痛に関して行う鍼治療も、自分の中では認識を改めなければいけない部分が、一部ありましたので、その辺りも意識していきたいと思います。
カテゴリ:鍼灸
ebara / 2010年09月06日(月) 15:43
はじめてのトリガーポイント鍼治療 の著者、伊藤和憲先生のブログ筋肉の痛みとトリガーポイントの中に医師からの忠告と言う記事があります。
線維筋痛症でなくても、医師でも無い代替医療家は薬の処方などについて安易に口を挟むべきではないと思います。
確かに、不必要な薬を処方されていると感じる患者さんもいますが、私が医師であれば責任を持って対処しますが、それが出来ない以上自分が出来る事だけに全力を尽くすべきです。
もし、心から信頼できる医師が側にいて、担当の先生と相談しながら薬の調整が出来るならばベストでしょうが、実際は間単に事は運ばないのが現状です。
記事の中には、他にも効果がないにも関わらず、長期間鍼治療を続けさせる。
線維筋痛症を治せると簡単に言う。
など書かれていますが、真剣に痛みの事を考え治療にあたっていれば、そうやすやすと口には出せない言葉だと言う事はすぐに分ります。
線維筋痛症に限らず、慢性痛症になってしまった痛みは、いまのところ決定的な治療法が存在しないわけですから、患者さんと二人三脚で模索しながら、その人にあった治療方法を作り上げていくしかありません。
鍼の刺激ひとつ取っても、その日の症状で変える必要があるはずです。
いずれにしても、鍼灸師が自分の守備範囲を超えすぎたところまで口をだしてしまうと、結局は患者さんに不利益をもたらすことになりかねません。
最悪、医科と鍼灸との痛みの連携医療の構築など程遠く、患者さんや医師双方から不信感をかってしまう事になるでしょう。
鍼灸は、これからの痛み医療ににおいて、大きな成果が期待できる分野だと私は思っています。
しかし、鍼灸師ひとりひとりのセンス次第では、せっかくの活躍の場が無くなってしまうかもしれません。
私も鍼灸師の一人として、強く心に留めておかねばならないと思える記事でした。
カテゴリ:鍼灸
ebara / 2010年07月21日(水) 20:38
前回、めまいと耳の閉塞感で刺絡治療をしました。
ここ数日、また左耳の調子が悪くなってきたので、昨日の昼休みに胸鎖乳突筋の中央付近の筋腹中心に、同じように刺絡治療を施しました。
治療後は変化ありませんでしたが、今日は朝から耳の調子は快調です。
100%でなくても、自分で対処できる方法が分かっていると助かります。
これは痛みにも共通する事です。
私は、腰痛の時はアイシングをする事で急場をしのぎます。
最初に、刺絡治療をした時の血は、
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=53071269&comm_id=4683800
の画像にもあるように、数か所ドロドロ塊のようになる部分がありましたが、今回はサラサラしたものでした。
東洋医学で言う瘀(オ)血と言う状態なのでしょう。
今回は、一番小さなバンキーだけで吸引したので、以前より跡が目立ちにくいような気がします。
カテゴリ:鍼灸
ebara / 2010年07月14日(水) 12:37