トリガーポイント鍼の特徴に感作構造(痛みの原因となる場所)を壊すという考え方があります。
痛みをその場で取るだけでなく、痛みの構造を根っこから抜くのですから、効果が長持ちします。
先日、屈強なスポーツ選手が、競技中に痛めた足首を診せに来院くださいました。
実は、この患者さんは、学生時代から、慢性化した酷い腰痛持ちでした。
就職してから更に悪化して、知り合いの紹介で来院くださったのが始まりです。
この患者さんには、二回施術をしています。最近、腰の調子はどうですか?とお尋ねすると、下記のようにお話しして下さいました。
そう言われれば、最近、腰が気になりませんね~
すっかり、腰痛持ちだったことを忘れていました。(笑)
こういう回復の仕方は、治療のインパクトが弱いですね。(笑)
鍼灸は、わざと組織に傷を付け、その傷が治る際に、感作構造(悪いところ)も潰れてしまうことを期待します。
余計な部分を傷つけないように、罹患筋の推定⇒触診⇒鍼を打つ技術が重要になります。
筋の細胞が入れ替わるまでに、三カ月とも言われますから、トリガーポイント鍼の本当の効果は、治療直後よりも、数ヵ月後に遅れてやって来るのかもしれません。
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ebara / 2013年04月17日(水) 18:33
当院では、患者さんが訴える症状や部位にアプローチするために、様々な鍼の種類や長さをを使い分け、トリガーポイントへの治療を行っています。
鍼は全て使い捨てです。
鍼皿も使い捨てですから、感染症の心配は必要ありません。
トリガーポイント鍼療法は、通常の鍼治療よりも鍼の本数が多くなる傾向にありますから、材料費だけでも結構な出費になります
。鍼の廃棄料も増えてしまいます。
今回、新たに加えたのは、セイリンの尖が丸いタイプの鍼です。
画像以外にも、まだまだ種類がありますよ~と
うちのサムが言っています。(笑)
鍼を多く揃えておくと、必ずロスが出てしまうのが難点ですが、より良い物を追い求める気持ちは持ち続けたいので。。
カテゴリ:鍼灸
ebara / 2013年02月28日(木) 08:08
ヤンイー貿易のカーボDXが本日届きました。カーボDXは、以前も使用していたのですが、欠品が続いたので院の在庫がなくなっていました。
昔、ルアーフィッシングをやっていた時に、ある雑誌でバスプロが、高価な釣竿は、ワームで底を曳くときに、底の様子が糸を伝わり手に取るようにわかると書いておられた記憶があります。
使い捨ての鍼もそれぞれ個性がありますがカーボDXは、名刀と言う感じです。
刺す時もそうなのですが、鍼を抜くときに不要な引っかかりがないのがお気に入りです。
当院では、色々なメーカーの鍼や長さを使い分けて、筋筋膜性疼痛症候群やトリガーポイントの治療をしています。
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ebara / 2013年01月12日(土) 14:39
ネットを見て来院される方に、トリガーポイント注射(TPB)を受けたが、思う様な効果が無かったと言う方がおられます。
筋筋膜性疼痛症候群(MPS)の治療は、トリガーポイント療法だけがすべてではありません。が、トリガーポイント注射(TPB)とトリガーポイント鍼療法(TP鍼)は、名前は似ていますが、非なる部分もたくさんあります。他の治療を批判したり、排除しようと言うものでもないですが、下記ブログを参考にしてください。
2012年11月に大阪で行われた、MPS研究会に参加させていただいた時に、麻酔科でありながら、今はトリガーポイント鍼療法で、痛みの患者さんと向き合う医師と意見交換ができました。
治療しなければいけないトリガーポイントは、筋と骨の接合部など構造がかわるところに多く存在しますが、注射針では骨に当たるとすぐに針先が傷むので、連続してそこを治療するのは困難。臀部の奥の方の筋肉は、かなり深いので、そこに注射針でアプローチするのは困難になってくる。局所麻酔が効いてしまうと、感作された筋肉がわからなくなる。そう仰っていました。
言いかえれば、TP鍼でよく効く部分に、取残しがある可能性があります。
これは、技術と言うよりも、針の構造の問題が大きく関わって来ます。何より、医師は一人で多くの患者さんを診る必要があるのですから、物理的な問題も絡んできます。
TP鍼でも、やり方は全ての鍼灸師で違うはずですし、TPBにはよいところもたくさんあります。例えば、短時間で治療が済むのは、痛みを抱える患者さんにとっては、大きなメリットになりますから、うまくコラボレーションすることです。
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ebara / 2013年01月04日(金) 20:46
今日は、私が所属するトリガーポイント研究会のスタッフの先生方による、下半身の触察セミナーへ行ってきました。
教授が参加されずに行われるセミナーですと、一気に参加人数が減ります.
しかし、その分、アットホームな雰囲気でスケジュールが進みます。
普段は、教授のデモを見て、それを復習する形式ですので、臨床での疑問をなかなかぶつける事ができませんが、今日のセミナーでは、臨床で感じる質問をたくさんぶつけることができ、消化不良が一気に解消された気分です。
ツールは、鍼が苦手、鍼が打ちにくい場所に効率よく施術することができるように、臨床を重ねる中で進化し続けています。
嬉しいことに、スタッフのH先生が作成されたツールを、分けていただくことができました。
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ebara / 2012年10月21日(日) 19:48
昨日は、トリガーポイント研究会でした。
今期に入ってから、テーマは膝です。
毎回、ペアが変わり、その都度テーマに沿って、互いに鍼や触察、手技を繰り返します。
画像は、教授の内側広筋への刺鍼です。
浅いところでは、数ミリです。
ズ~ンという感覚はありますが、痛くはありません。
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ebara / 2012年07月09日(月) 08:40
今までは、自分で制作したツールを使って、鍼が苦手な人や、鍼ではリスクのある部分のトリガーポイントを治療していました。
木製のタイ式のマッサージツールは、侵害痛のほうが多く使い物になりませんでした。
今回、新たなツールが加わりました。
今までは、牛の角が使われていましたが、先の形が取り寄せるまでわからず、せっかく手元に届いても使い物にならないケースもあったそうです。
画像の物は、牛の角に変わるものを、TP研究会のスタッフの先生が作られたものです。
ありがたい事に、それを分けていただく事ができました。
このツールの利点は、全体が樹脂でできており、自分で先が削れ自分好みに仕上げられます。
体表に近い骨に付着する腱などに使用します。
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ebara / 2012年05月18日(金) 15:48
教科書で解剖学を学ぶことはできますが、実際の臨床では筋肉の大きさ、張り、骨の大きさ、性差、etc
条件が違いますから、補正が必要です。
何より、実際の体は立体的だと言うことです。
補正して貰わないと、本を読むだけの独学だけでは厳しいものがあります。
上達への近道は、基礎を積み重ねていくことしかありません。
立体の骨を皮膚にマーキングするのは、案外難しいです。
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ebara / 2012年04月23日(月) 12:22
トリガーポイント研究会 HPより抜粋
http://k-tp.jp/professional/reference
Myofascial Pain and Dysfunction: The Trigger Point Manual
TPについての記念すべき金字塔であり、全ての骨格筋について、トリガーポイントの診断、治療が述べられた本です。
然し黒岩が、鍼灸技術に含まれる暗黙知と鍼灸治療の経験知を用いてトリガーポイント検索法を確立し、「責任トリガーポイント=発痛部」仮説を誕生させた(2000年頃)今となっては、読む意義は殆ど失われたと言えます。
下の画像は、僧帽筋の上部が頭痛のように感じてしまう、TPの関連痛パターンを示したものです。
私は、患者さんに自分が感じている痛みが、実は遠く離れたところに原因があると分かって貰うために使用するくらいで、関連痛パターンだけで筋を同定していくことはありません。
トリガーポイントの概念も、約30年前にTravell & Simons博士の本が出てから、研究が積み重なり大きく中身が変わったようです。
臨床の現場では、関連痛パターンから逆算して、罹患筋を細かく同定していくのは、とても難しいように思います。
それに、痛みを抱えている時間が長い場合、ひとつの筋肉だけが悪いと言う事は稀ですから、罹患筋の特定を関連痛パターンのみから検出するのは、取りこぼしが多くなる危険性を含んでしまいます。
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ebara / 2012年04月10日(火) 08:46