腰が伸ばせず来院された30歳代の男性の患者さん。
仰向けで脚を抱え込むような動作でも腰に痛みが走ります。左側よりも右側の痛みが強いので、F4に右5壮、左3壮の直接灸を施しました。その時点で動作確認してもらうと少し楽な感じ。直接灸をした感触としてはあまり効果が無かったようにも思えたので、陰陽交差と子午治療に切り替えました。
まずは陰陽交差で左の右側の神門を圧して、左脚を抱え込んでもらうと楽に出来ると言う事なので、テイ鍼で細かく神門付近の最大圧痛点に、バイオイエロー固定。右脚を同じく抱え込んでもらう時は、左の神門よりも左の孔最のほうが効果があるようなので、同じくバイオイエローを固定。
この時点で動作確認してもらったところかなり楽になったと言う事でしたが、腰方形筋にジャンプサインが残っていたので、直接リリースして治療終了しました。
赤い印は治療ポイントです。
今日の午前に、整形外科で、一人は腰椎すべり症から来る腰臀部痛と診断。
脊柱の触診においてもも、第4~5腰椎に、結構な階段状変形が触れて取れますので、すべり症が確かにあるのがわかります。
赤い印が痛みの強い箇所。
もう一人の方は、頚椎の3番、7番の椎間板の狭小化、それに伴う神経圧迫による、頚部と右肩甲骨内縁の痛みと診断。
診断されたて、ホヤホヤの二人の患者さんが、お見えになりました。
赤い印が痛みの箇所。
二人とも、鍼治療にて、痛みは随分緩和されました。
診断権が無い身分ですから、診断にどうのこうの言える立場にありません。
今後、痛みがぶり返すかどうか予測は尽きませんが、このような簡単な治療で、痛みが和らぐのは、MPSだと言えるでしょう。
二人とも、整形外科で満足行くような治療が施されていれば、当日、私の治療院に来る事が無かったのは事実でしょう。
腰痛で色んな病院での治療経験があります。若い頃は、(勿論MRIなど無かった時代)椎間板ヘルニアと言われていたそうです。勿論、定番の牽引、注射、マッサージも経験済み。
ある病院では、80歳を超えてるにもかかわらず、週2~3回毎回リハビリで、腹筋背筋のトレーニングをやらされていたそうです。(自動運動は悪くないと思いますよ。)
80歳を超えておられるのですが、自分でネットをこなして情報収集されています。知識を持つのは良いと思いますが、正しいかどうかも分らない情報に、振り回されては元も子もありませんよ。
自分の腰痛の原因は、大きく右にかたむいた背骨の為と思っておられます。この歪みさえ治ればと思っておられました。実際、そのような部分には、筋硬結や圧痛点が例外無く見られます。
僕自身、圧痛点や筋硬結は、自覚症状の無い健常な人にも見られると思っていますが、鍼灸師の立場から毎日患者さんの身体を触っていると、そう言う部分にツボと呼ばれる部分が多く存在するのも事実ですし、トリガーポイントと一致する部分が多いのも事実です。
勿論、治療するポイントになります。余談ですが、ツボは簡単に言うと、筋肉の境目などにあるピンポイント。少しだけでもずれてしまえば、他のツボになりかねない。
トリガーポイントは、主に筋腹に存在する、ゾーンとして考えられると最近読んでる本に書いてあります。
赤い印は、この患者さんが痛みを訴えるポイントです。
前回の治療後は、数日間いままでに無いくらい調子は良かったと喜んでおられました。
今日は、もう少し脊柱に近く深い部分の筋肉を狙いたかったので、3番2寸の鍼を28本打ちました。
前回は、同じ本数で2番1寸6分の鍼を使いました。