過去に治療を行った症例報告です。治療部位毎に経緯などをまとめています。左側のカテゴリ選択から治療部位を選択できます。
60歳代の女性の患者さんが、親指のばね指と、親指が細かな作業をしていると指先の感覚が鈍くなり、そのうちに力が入りにくくなり、物が掴み辛くなると言って来院されました。
確かに、MPSの関連症状にも上記にあげたようなものがありますが、ばね指以外は、神経の絞扼障害でも起こりえます。MPSか絞扼障害のどちらか診断することは、医師以外には出来ません。
ただ、こう言う病態で受診すると、殆どの医師にMPSと言う病態が認知されていませんから、すぐに首のせいにされてしまう恐れがあります。
深部反射 etcを丁寧に診ましたが、異常はありませんでしたので、MPSと判断して治療をしました。結論から言えば、長・拇指屈筋 短・拇指屈筋、斜角筋の治療で、ばね指はその場で良くなりました。
今日、久々に来院されましたが、親指の感覚も筋力も戻り、細かな作業も問題なく出来ていると言うお話でしたから、MPSだったのでしょうね。
長・拇指屈筋
・江原鍼灸整骨院. 電話 075-463-8639
・京都市中京区西ノ京御輿ケ岡町10番地
・営業時間 9:00~12:00 16:00~19:00(水・土 午前中)
・定休日 日曜日 祭日
歩いていると、ふくらはぎが痛んでくると言う60代の女性の患者さん。
ふくらはぎの触感を一言で言うと、硬化して弾力が無くなったゴムのようです。体全体の皮膚の色も悪く、乾燥肌で、内分泌系の疾患でも抱えているかのような感じです。
実は、この患者さんは、二月ほど前にも同じ症状で来院されています。今回の問診でも特に気になるな疾患も無く、深部反射 etcにも問題がない。この二ケ間の様子を聞くと、凄く調子がよかったそうなので、動脈硬化などの脈管系の問題もないように思えました。
膝が長らく正座が出来ないので、股関節、足関節の機能も失調していましたので、あわせて治療して様子を見てもらうことにしました。
痛みは、すぐに良くなりましたので、MPSと言う判断で良いと思いますが、私見ですが、この患者さんの場合、肥満や皮膚の色etc (視診)から、 血液像に異常所見がでていなくても、食事や運動など生活習慣を変えていく必要があるように思える症例でした。未病と言うと胡散臭く思われる方も居るでしょうが、東洋医学的な診方も重要だと思います。
トリガーポイント鍼三回終了時の患者さんの様子です。バス停まで休む回数が半分以下に減った。激痛は全く起こらない。痺れは残っているが、治療前に比べると随分マシ。ここまでは、よくあるお話しですが、今まではトイレにすぐ行っていた(瀕尿)が、その回数が大きく減った。足元がいつも冷たく、すぐに暖房が必要だったが、今は足がポカポカして暖房がいらなくなったそうです。殿部のトリガーポイントを処理すると、主訴以外に、このような症状が改善することも珍しくもありません。何より、この患者さんは前向きです。
脊柱管狭窄症と言う病気を、以前は常に気にしていたけれど、私の話を聞いてから、気にしないように心がけている。久しく遠ざかっていたゴルフに行ってみるとも仰っていました。
痛みを常に感じている脳は、マイナスの学習をしているようなものですから、筋肉(末梢)の治療で、症状が少しでもよくなる事は、ある意味プラスの脳内学習だと思います。筋肉(末梢)の治療は、可塑的変容してしまったソフト(中枢)への介入にもなると考えます。同時に、患者さんに、その事を意識してもらう事は、とても重要な事だとも思います。
カテゴリ:症例報告 ,坐骨神経痛 脊柱管狭窄症
ebara / 2011年12月05日(月) 07:34
約1ケ月ほど前に、隣県から来院された女性の患者さん。陣痛よりも強い猛烈な痛みが続き、痛みと格闘して、疲れ果ててようやく数時間寝られるという訴えでした。男の私にはピンと来ませんが、相当な痛みであることだけは理解できました。
痛みを押し殺して病院へ行っても、画像診断異常なし→湿布の山と痛み止め。到底効くはずもなく、医師からは適切な説明もないまま、経過観察。途方にくれてネット検索され、来院してくださったそうです。二回来院してくださったのですが、その後お顔を見る機会もなく、経過もわからず気になっていましたが、元気な姿で来院してくださりました。
私のなかでは、唯一気になっていた病態があったのですが、細かな血液検査も異常なかったようですから、炎症性疾患や膠原病でなく、MPSだったのでしょうね。
今回のケースは、トリガーポイントに拘らず、いかに交感神経の過緊張を取ることが出来るかを優先しました。治療後は、痛みのため数日食事が出来なかったものが、身体がポカポカして食が進んだそうです。私の治療が、どこまで役に立ったかわかりませんが、もう一生寝たきりかもしれないと思う程強烈な痛みから、元気な姿を見せていただけると、日々自分の力の無さを痛感している私にとって、大きな勇気と元気を患者さんからいただきました。
私は、医師ではありませんから、診断はできません。痛みを訴えて来られた患者さんに、除外診断が必要なのも充分理解できます。しかし、問診で事足りることも多いはずです。猛烈な痛みを発する解離性動脈瘤 心筋梗塞 尿管結石 胆石発作 etc などの内臓由来とも言える痛みなら、痛み以外にも、他覚所見がある場合もあるでしょう。それこそTPB注射などは効果ないでしょうから、TPB注射をすることで同時に診断も行えそうなものですが、いつまで経っても進歩がないですね。原因を探るのは後にしてでも、まずは痛みを全人的に捉え、優先的に除痛をしてから、除外診断を進めればよいように思うのですが。。。。
50歳代の男性の患者さんが、首から左肩~上肢にかけての痛みと痺れを訴えて来院されたのが、今月初めの事でした。
首を後屈すると、首から上肢にかけて強烈な痛みが起こる。安静にしていれば、痺れが気になって仕方がない。神経学的検査という位置付け? の、ジャクソン、スパーリング検査では陽性になります。肩のほうは、動かしても、特に痛みが誘発される事もなく、可動域の制限もありません。
深部反射 筋力検査 触圧覚 筋の萎縮 etc ひと通り診ましたが、除外しなければいけないような疾患はありません。この患者さんを紹介してくださったのは、数年に一回腰が痛くなれば来院される患者さんで、その患者さんの身近な身内には、名の通った整形外科の開業医がおられます。その方も、すべり症による座骨神経痛で、手術が必要と身内の病院で診断されて、私の院に来られた記憶があるので、鮮明に思い出す事が出来ました。
痛みを長く放置していたそうで、最長筋、肩甲挙筋 後斜角筋 僧帽筋の上部 小胸筋が悪くなっていました。現時点で、首を動かす事は問題なく出来るように回復しました。若干、腕の痺れが残っている状態ですが、この患者さんが訴える症状は、MPSと言う病態で間違いなさそうです。(あくまで、診断ではなく判断です。)
いずれにしても、痛みを放置しないことが重要です。
いつも、右脚の腰下肢痛で、年1~2回来院される60歳代の男性の患者さん。今回は、左肩の痛みで来院されました。
二週間くらい前から、何をしたと言う訳でもなく痛みだし、外転時痛が激しくなり、夜間痛みで起きる。首まで回らなくなったと言う事でした。いたるところに感作部位がありますから、広めにカバーしておきます。それだけで、取れてしまう場合も多いものです。
腰下肢痛は、医師には骨の棘が神経に触れているから、すっきりさすには手術しかないと言われておられていましたが、最近は調子も良く、ハードに作業をこなしても痛まなくなったそうです。結局、MPSと考え治療したほうがよいケースですね。ただし、患者さんの頭の中には、MPSと言う概念は全くありません。
この患者さんが訴えられていた、腰下肢痛が、鍼治療で良くなったのか?ほったらかしでも良くなったのか?それは、私にもわかりませんが、女性が行うお顔のピ-リングは、一旦組織を破壊して、あらたな組織に置き換えてあげるようです。
私が行う鍼治療も、悪い部分を破壊して感作構造を潰し、新たな組織に置き換えてあげようと言う考えも取り入れていますから、やみくもに鍼をするのではなく、治療する筋肉をしっかり厳選して行います。巷では、トリガーポイント鍼は痛いとも耳にしますが、私は、鍼の痛みを我慢させてまで行うような、乱暴なやり方はいたしません。
もう、4~5年前から腰から脚が痛く、自分が勤める病院で椎間板ヘルニアが原因と言われた、コメディカルの患者さん。椎間板ヘルニアの手術をしても痛みが取れない人を仕事柄たくさん見ているので、カイロプラクティックに行こうか迷ったそうですが、ご家族の勧めで私の院に来院してくださりました。本日、二回目の来院でしたが、初回は問診中も脂汗で辛そうでしたが、足の症状も良くなりすっかり楽になったと言うお話しでした。
トリガーポイント鍼療法で、長引く症状が顕著に改善したのですから、椎間板ヘルニアが原因ではなく小殿筋の筋・筋膜性疼痛症候群のように感じました。病院勤務をしていると色々な矛盾が見えるのも事実ですから、私がお話しする内容の理解は早いように感じます。いずれにしても、カイロプラクティック、鍼灸、代替医療と呼ばれる物をコメディカルの方が選択するのですから、今の痛み医療は。。。。
問診票に記載された赤いマークが痛さを物語っています。
カテゴリ:症例報告 ,首・腰の椎間板ヘルニア
ebara / 2011年08月30日(火) 13:28
数ケ月前に左膝が痛くなり、そのうち治るだろうと思っていたら、左の腰下肢全体が痛くなり、仰向けに寝ていられなくなったと言って来院された30代の女性の患者さん。
以前は、よく背中や首が痛くなって来院されていましたが、その痛みは最近全く無く、五年ぶりの来院です。
左膝にサポータの跡がクッキリありますが、滑膜炎のような腫れや圧痛はありませんから、膝のトラブルとは考えにくいと判断しました。一日中立っている仕事ですが、特に就労時間や内容が変わった訳ではないようです。
殿部の筋肉のリリースと同時に、横隔膜付近の重たく感じた部分を処理して終了。
本日、二回目の治療にお見えになりましたが、治療した日から仰向けに熟睡できるようになり、キツネにつままれたみたいだと仰ります。
早い話、痛みの本態はMPSだったのででしょうが、罹患筋をリリースするだけでなく、ちょっとした工夫を治療に加えた方がよいと思える症例でした。やり方をうまく文字で表現する事ができませんが、備忘録としてUPしておきます。
・江原鍼灸整骨院. 電話 075-463-8639
・京都市中京区西ノ京御輿ケ岡町10番地
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・定休日 日曜日 祭日
手がピリピリして力が入りにくいと訴えて来院された、60歳代の男性の患者さん。
確かに握力は少し低下していますが、深部反射や触圧覚には異常がありません。
こう言う時の判断は、なかなか私レベルでは難しいです。手根管症候群と呼ばれるような病態でもなさそうです。患者さんには念の為、MPS以外に頭の片隅に置いておいてもらいたい注意事項を伝えて治療を施しました。
前腕の内関と呼ばれるツボの辺りを押すと手先に響くポイントがありました。関連筋以外にも、陰陽交差の治療を加えながら、手首の運動を繰り返し痛みが無い事を確認してもらいました。
今日、二回目の治療に来られましたが、随分症状が和らいだと言うお話しでしたので、MPSと言う病態だったのでしょう。
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