過去に治療を行った症例報告です。治療部位毎に経緯などをまとめています。左側のカテゴリ選択から治療部位を選択できます。
今年の春先に尻もちを着き、圧迫骨折をした60歳代の女性の患者さん。
歩くと殿部から脚が痛くなる。病院では、下部腰椎が潰れている(脊柱管狭窄症)のと圧迫骨折で神経が押さえつけられているのが原因と言われ、病院のリハビリに通う。ある時、殿部を押さえて歩くと痛みが和らぐことに気付き、リハビリの先生にお願いして、その部分を押して貰うと楽になると言って来院されました。
結局、梨状筋の治療を二回しただけで、歩行時痛は取れました。
同じ側の膝の外側も痛く、定期的にヒアルロン酸注射に通うが痛みは変わらないと仰るので、同時に外側広筋を治療→歩行時通なし。
いつも、こんなに楽に決まれば良いですが、数分の手技のみで良くなりました。繋がり、軸と言う観点で患者さんを診れば、また新しい発見があります。
カテゴリ:症例報告 ,坐骨神経痛 脊柱管狭窄症
ebara / 2012年08月09日(木) 15:58
子供を抱き上げる際に、腰に激痛が走ったと言って来院された30歳代の女性の患者さん。
主訴は、腰の右側の痛み。あらゆる動作で痛みが増強、エビのように寝ている時は少し楽。
一回目の治療では、右は多裂筋、左は腸肋筋に強烈な感作がありました。二回目の治療時、一回目の治療で八割は楽になったが、左足をあげる(立ちながらズボンを履く)動作で右腰に痛みが出る。
痛みを訴える右腰を触診するも、あまり反応がないので、股関節を屈曲する時に痛みが出るので、その動作と関係がありそうな左の殿筋の深層を治療すると、強烈に感作された場所がありました。治療後、全ての動作がスムーズに行えるようになったので、略治としました。
患者さん訴える場所と、自分が考察した場所が違うのに、治療がうまく行くケースは少なくありません。
先日も、20年以上前に腰の手術をして、主訴である左足の痛み痺れは取れたが、右腰が度々寝込むほど痛くなると言う患者さんが遠方から来院されました。
この方も、手術以前から左の殿部の機能の低下が左の脚の痛み、痺れを起こしていた→手術をしたが殿部の筋肉の機能の低下は残ったまま→それをかばう為に右腰が度々痛くなる。
そう考察して治療をしたら、左の腰よりも、右の殿部に感作されたところが沢山見つかり、上手く行きました。その後、20年来の痛みが一回の治療で驚くほど良くなって、つつがなく過ごせていると言う嬉し報告が、紹介してくださった患者さんからありました。
治療効果があがらない場合は、少し視野を広くした方が良い結果が出る場合があります。もちろん、プラセボ効果かもしれませんが、備忘録としてUPしておきます。
一人目の患者さんの、二回目の治療ポイント
30歳代の女性の患者さんが、今年の2月頃から、腕を切り離して欲しいくらいの手の痺れと痛み、握力が半分以下に低下して、フライパンも持てなくなり病院を受診。
検査の結果は、軽度の首のヘルニアの診断で経過観察。リリカを処方されたが、眠くなるだけで全く効果がないと来院されたのが、先月の半ばでした。
症状が憎悪する姿勢で顕著なのは、自転車のハンドルを握ると、すぐに痺れが切れたようになる。深部反射等には異常なし。知覚も正常。巧緻運動も可能。首の椎間板ヘルニアが原因ではなく、MPSと判断して、3回鍼治療を行ったところ、一回目は首が良く動くようになった。
2回目は、痺れが楽になった。
3回目は、フライパンが握れ、握力も正常に戻り、安静時切り落として欲しいくらいの、鬱陶しい症状が全てなくなったと言うお話しでした。
実は、この患者さんの親御さんが、脊柱管狭窄症の診断で、ほぼ毎日二年間、整形外科のリハビリに通ったが症状が変わらず、私の院で良くなった方だったのですが、鍼のネガティブなイメージから、散々勧められてから来院するのに、2ケ月以上経過してしまったそうです。
車のエンジンをかけようとしてもかからない場合、皆さんは何が原因と考えますか?まっさきに頭に浮かぶのは、バッテリーあがりではないでしょうか?まさか、コンピューターが壊れたとか考えませんよね。MPSも、車のバッテリーあがりと同じで、真っ先に考えなくてはならない病態です。
m_chiro先生のブログ記事にも、同じような事が書かれています。
http://mchiro.exblog.jp/16502921/
ただし、圧痛点=治療ポイントとは限りませんから、治療するポイントを絞っていかなくては、思うような効果はあがらないかもしれません。この患者さんの治療ポイントで、重要だったのが中斜角筋でしたが、中斜角筋の停止部付近は、鍼をせずにツールを使って処理しました。
カテゴリ:症例報告 ,首・腰の椎間板ヘルニア
ebara / 2012年06月12日(火) 10:49
上肢から前腕のむくんだような、腫れたような不快な感覚と痛み+親指を開き始め2~3回のみ刺すような痛みがある。
上記のような症状で、病院を受診すると、即座にドケルバン病だから、手術するしかないと言われ、受診した日に手術の予約を入れることになり、仕事の休暇の段取りまでしたそうですが、同じ職場の人が、私の院に過去に来ていた事があったそうで、手術する前に一度治療して貰ったらどうかと言われ、来院してくださりました。
丁寧に触診をしましたが、短母指伸筋と長母指外転筋の腱には、全く圧痛はありません。
上肢にも症状があり、最近、歯医者で口を長く開けておく機会が多く、それ以降、首の調子も悪いと言う事でしたので、頚部の筋肉、前腕の伸側、長母指外転筋を中心に治療したところ、頚、上肢、前腕、拇指の症状は、ほぼ消失しましたので、様子を見てもらう事にしました。
手術も、一旦キャンセルされると言うお話しでした。手術でよくなるかもしれませんが、侵襲性の低い治療でよくなるなら、そのほうが良いですね。
・江原鍼灸整骨院. 電話 075-463-8639
・京都市中京区西ノ京御輿ケ岡町10番地
・営業時間 9:00~12:00 16:00~19:00(水・土 午前中)
・定休日 日曜日 祭日
首の激痛で、病院でのMRI検査の結果、首の椎間板ヘルニアが痛みの原因。痛みが引かなければ手術も考える必要があると言われ、リリカと言う薬がMAXの量処方されていました。リリカは、約1年半程前に、慢性痛の治療に保険適用で使用できるようになった薬です。整形外科でも、ポピュラーに使われるようになった感じがしますが、効果がない方も多く見られます。
この患者さんは、トリガーポイント鍼治療を行っいましたが、痛みは大幅に軽減して、痛みや痺れは、大きく改善しました。斜角筋へのトリガーポイント鍼が効果あったわけですから、椎間板ヘルニアが痛みの原因でなかったとも考えられる症例でした。
カテゴリ:症例報告 ,首・腰の椎間板ヘルニア
ebara / 2012年04月26日(木) 08:37
硬式野球部のピッチャーが、肩の痛みで来院されました。ボールを投げるときに肩が痛い。
多くの場合は、問診すると、上記のような答えしか返って来ません。実際に、投球動作をしてもらい、どのようにした時に痛みが出るか再現してもらいます。
http://www.zamst.jp/tetsujin/ask/01_medical.html
スポーツの鉄人に聞け! – 鉄人に聞け!|野球肩|メディカル編
を参考にさせてもらうと、コッキング期から加速期に入る手前から痛みが出ます。その他の、肩の外転、前方挙上では痛みはでません。腋下の上辺りは、三角筋の下に、複数の筋肉があります。
筋肉のつき方は人によって差がありますし、同じ人間でも左右でボリュームが違ったりしますから、明確に、一つの筋を同定するのが難しい事があります。腋下の治療後、肩を動かして貰うと随分楽になったと言う答えでした。
あるコミュニティーで、タイムリーな話題があがっていたので、上腕三頭筋の肘頭付着部付近を探ると、腱の外側に感作部分があったので、ここも処置して再度動かして貰いました。
結果、痛みが10→0になりました。
症状はなくても、罹患筋と思われる筋肉の反対側を治療して、すっきり行ったケースです。
三角筋の後ろ側
上の三角筋をはがすと下のような複数の筋肉があります。
ここ数日、ギックリ腰の病態で、三人の腰痛患者さんが見えられました。
一人目は、最初から鍼希望。
二人目は、鍼は嫌だと言うことで午前中に手技にて治療。
午後になって、痛みでどうにもならなくなり、左脚の痺れ、足があがらないと言って、午後再び来院されました。この痛みが取れるなら、鍼でも何でもすると言う事で、トリガーポイント鍼をしました。
三人目は、鍼は恐いと仰るので徒手治療のみ。
それぞれ、運動考察、触診から痛みの罹患筋を同定→治療。
要は、鍼をしたか徒手のみかの違いで、施術する筋肉は同じです。
結果、一人目の方は二回で治療終了。
二人目の方は、一回の鍼で足の痺れもなくなり、足がスムーズにあがるようになり、結局、二回の治療で、重い荷物を運ぶ仕事に早期復帰されました。
三人目の方は、二回目の治療終了時点で、痛みは軽くはなったが、座っていると痛みが増してくるので、まだ治療が必要なレベルです。
下の画像は、一番痛みが酷かった二人目の患者さんの治療ポイント。
殿筋、最外層の腰方形筋までが、強烈に感作されていました。
こうして、同じ視点で治療をしても、鍼を使うのと徒手では、やはり鍼の方がよく効くように感じますが、恐い、痛いと言うイメージが先行してしまいます。
実際、初めて体験した方は、もっと早く鍼治療やっとけば良かったと言う感想が多いです。
40歳代の女性の患者さんが、テニス肘を患って来院されました。
去年、初めて来院されたときは、背部の痛みで二回治療しただけで、その後の経過は分かりませんでしたが、久しぶり来院された時に治療のお話しを聞く事が出来ました。トリガーポイント鍼の治療後は凄く調子が良く、テニスの大きな大会で二回も優勝したと嬉しそうに仰ってくださりました。
患者さん曰く、自分勝手なもので、あれほど痛かった背部痛で駆け込んだのに、のど元過ぎればなんとやらで、で先生のことなどすかっかり忘れていたが、肘が痛くなった途端に顔が思い浮かんで来院したと言うお話しでした。小雪降る中、遠方から来院してくださった患者さんには感謝、感謝です。
さて、肝心の肘のほうですが、テニス肘と言うお話しでしたが、触診や運動考察では肘よりも、肩周囲の筋肉、斜角筋のトラブルのほうが重要に思えました。お話から、ここ最近テニスのサーブのフォームを変えたと言う事も分かりました。前腕、肘周りを治療しても、あまりスッキリしませんでしたが、斜角筋を処理すると肘だけでなく、肩全体も軽くなったと言ってお帰りになりました。
やはり、痛い所だけでの治療で効果が上がらない場合は、繋がりを見治して治療をするべきですね。
・江原鍼灸整骨院. 電話 075-463-8639
・京都市中京区西ノ京御輿ケ岡町10番地
・営業時間 9:00~12:00 16:00~19:00(水・土 午前中)
・定休日 日曜日 祭日
腰の手術をしたが痛みが取れず、あちこちで治療を受けられていた30代の女性の患者さんが、昨日二回目の治療に来られました。
一回目は、八か月前に治療をしています。
一般的な、トリガーポイント治療に加え、如何に今の痛みの治療の多くに矛盾があるかを説明しました。
この患者さんは行く先々で、言われるままの事を信じ、腰に悪いから、あれも駄目、これも駄目、再発と言うメガティブなことを刷りこまれ、自信が無くなっていたようです。
昨日も、私が話したことで、今までの霞がかかったような状態から抜け出せたような感じで、月に何度も腰の治療をしていたのに、なんやかんや言いながらも、八ヶ月間痛みから解放(とはいえ痛かった時もあるでしょう)されることが出来たようです。
今回は、触診と運動考察から、罹患筋を左右の多裂筋、左の腸肋筋、左の小殿筋をリリースしました。
結局、体の治療よりも、安心と言う薬が効いたと思えるような症例でした。
40代の女性が膝の外側の痛み、所謂、ランナー膝と呼ばれる病態で来院されました。
整形外科では、検査の結果、半月板の手術が必要。
日常動作で困る事はなく、歩き始めに痛みがあるが、動かしている間に痛みが楽になると言うものです。炎症や軟骨が減ってと言う事が原因ならば、動かし続けた方が痛みが出るように考えられそうですね。NSAIDも効果ありませんから、尚更、炎症などないように思えます。
外側広筋、殿筋 etc 丁寧に治療すると、一回の治療で一週間以上、痛み無く楽に動かせるようになったそうです。
本当に、手術しか治す方法は無いのでしょうか?
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