過去に治療を行った症例報告です。治療部位毎に経緯などをまとめています。左側のカテゴリ選択から治療部位を選択できます。
二ヶ月前に、牽制球を逃れるためにヘッドスライディングした際に、ベースで突き指をしてから痛みが引かず、徐々に痛みの範囲が広がり、握力もかなり落ちたと言って来院してくれた高校生。
突き指直後は、レントゲン検査で異常がないので、安静を言い渡されそうです。
その時の様子をみていませんので詳細は不明ですが、当初の痛みは損傷を伴う警告を意味する痛みだったのでしょう。
今は手を握りしめようとすると手のひらから、薬指、小指にかけて痛むようですから、初期の警告を意味する痛みではなく、筋・筋膜性疼痛症候群(MPS)と判断して治療しました。
前腕の伸筋群なども丁寧にみましたが、薬指、小指のMP関節付近の骨間筋の責任トリガーポイントの治療を一回しただけで、しっかり握り締めることが出来るようになり、握力も戻りました。
・江原鍼灸整骨院. 電話 075-463-8639
・京都市中京区西ノ京御輿ケ岡町10番地
・営業時間 9:00~12:00 16:00~19:00(水・土 午前中)
・定休日 日曜日 祭日
カテゴリ:手・腕の痛み
ebara / 2013年04月05日(金) 22:56
60歳代の男性の患者さんが、左膝の痛みを訴えて来院されました。
病院ではCTとMRI検査が行われ、半月板損傷という診断だそうです。
歩く事は膝によくないので控えるようにとだけ言わたそうです。
湿布、薬、電気と注射での治療が続くも悪化するだけで、何とかならないかと医師に聞くと、もう病院ではすることが無いとサジを投げられたそうです。
腰が痛い時に私の鍼治療一回で良くなったことを思い出し、今回来院してくださいました。
痛みが起こった時の話を聞くと、ゴルフに行って斜面で股を広げてスイングした時に違和感が出て、それから、だんだん悪くなっていったと言うお話しでした。
膝を触診すると鵞足(特に半腱様筋)にジャンプサインがありましたので、その部分とそれに繋がる部分を治療しました。
先日、最来してくださいましたが、痛みも随分マシになり、今度の休みには久しぶりにゴルフに行って来ると言うお話しでした。
痛みがあるとすぐに関節内の話になりますが、この症例のように、筋肉などの膜系のトラブルを治療することで良くなることも多いものです。
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カテゴリ:膝の痛み
ebara / 2013年03月20日(水) 08:16
三十代女性の患者さんが、左顎の痛みを訴えて来院されました。
大学病院、口腔外科での診断は異常なし、顎関節症候群と言う診断で経過観察だそうです。
口を開けるときだけ、閉めるときだけと限った動作で痛むわけではないそうで、ある一瞬だけ痛むようです。既往歴は頭痛、肩こり、疲れやすいetc
咀嚼に関する筋肉、後頭下筋群、頚部の筋肉から感作の強い場所を選び治療をしました。
先日二回目の治療に来られましたが、症状も10⇒2に改善したとのことです。
実際、鍼を打ってみての反応も、患者さんが仰るように初回より遥かに少なくなっていました。
大学病院で検査しても分からない痛みが、たった一回の鍼治療で大きく痛みが改善した症例です。
カテゴリ:その他の痛み
ebara / 2013年03月18日(月) 07:30
下腿の痛みを訴えて来院された高齢の男性の患者さん。
痛みは半年くらい前からあったそうで、脛骨(むこうスネ)に一直線にエレキバンが貼ってあります。
写真でお見せできませんが、かなりむくんでいました。医師にはなんと言われているのかと聞くと、脚気のようなものと言われているそうです。
脛骨前面には付着している筋肉はありませんから、脛骨前面の痛みは他から来ているというものです。関連圧痛という言葉は、MPS研究会の医師、山下先生の造語です。
施術方法を簡単に書くと、脛骨の内側縁から後脛骨筋に刺鍼→足裏に響く場所。腓腹筋の内側、外側の筋硬結。前脛骨筋から下腿骨間膜を貫き(一度に全体を緩める意味)刺鍼をしました。
先日、二回目の治療に来院してくださいましたが、むくみも随分減っていましたし、肝心の痛みも、8割は楽になったと言うお話しでした。
カテゴリ:その他の痛み
ebara / 2013年02月27日(水) 12:50
左胸に痛みを訴え来院された高齢の女性の患者さん。
思い当たるのは、1ケ月半くらい前に物を持ち上げようとした際に、左胸にピキッと痛みが走ったくらい、その後痛みが続いた訳では無く、最近になって、体を動かした時一瞬だけ、電気が走るような痛みがあるそうです。
骨折を疑うような所見も内科疾患の既往歴もありません。
動作時通を確認しましたが、特に痛みを誘発する動作はありません。患者さんが押さえる場所は、第7~8肋骨の間になりそうです。’(通常、乳頭ラインが第五肋骨になります)
経験上このようなケースは、脊柱の際の筋肉をゆるめて呼吸が楽に出来るように治療すれば経過が良い場合が多いものです。
この患者さんも、訴える場所は治療せず、脊柱傍らの筋肉にできたトリガーポイントを治療をして様子を見ていただきました。
除外診断が必要な疾患がないかどうか判断し、尚且つ安全に刺鍼を出来る場所を選んで治療しました。(ここを読まれ参考にされる方は、背部は充分に気をつけ治療にあたってください。)
今日は一週間ぶりに、二回目の治療に来院されましたが、経過を聞くと、この一週間は痛みもなく生活が出来たようです。
カテゴリ:その他の痛み
ebara / 2013年02月07日(木) 15:45
ある競技で全国大会に出場が決定している高校生です。
主訴は、肩関節前側の違和感と、競技を継続すると腕がだるくなり握力が無くなると言うものです。
病院の検査では、MRI画像の結果から胸郭出口症候群と診断されています。胸郭付近で、血管や神経が押さえつけられているから、と考えるようです。ヘルニアがあればそれが原因といわれるのでしょうか?
全国大会に出場するレベルですから、トレーナーやスポーツ整形との連携も充実しているようですが、指定された医療機関以外に行く事は禁止されているそうです。毎晩の帰宅も、夜10時~になるそうで、今回は学校に内緒で来院してくれました。トレーナの指導内容を聞かせてもらう機会も多いのですが、トレーニング方法は、痛くなるのは弱いから→丈夫で頑丈な筋肉を身につけると痛みが起こらない。このように考えメニューが作られているように思えて仕方ありません。もちろん、パフォーマンスを上げるためのトレーニングは必要でしょうが、私は痛みを取るトレーニングなど存在しないと考えますので、こう言うやり方に違和感を感じます。
普段、競技をしている体の使い方から、二つに分けて考え治療をしました。後日メールで、治療後は痛みやだるさもなく、運動が出来ていると報告がありました。
この状態がいつまで続くかわかりませんが、それまでのやり方で全く効果があがらないのですから、筋筋膜性疼痛症候群(MPS)、トリガーポイントと言う考えを軸にすればよいと思います。
京都で、胸郭出口症候群の痛みやシビレでお困りの方に、トリガーポイント療法がお役に立てるかもしれません。
あるスポーツ競技をしている学生さんが、インターネットで検索され来院してくださいました。
腰を痛め整形外科を受診。
伸展、回旋は問題ない。
前に屈めると痛い。
ズボン、靴下を履くのが辛い。
医師はレントゲン検査異常なし、診断は急性期の腰の炎症。
腰の筋肉の炎症だから、血流をよくしなさいと指導してくれたそうです。
そこで、整形外科の帰り道に、私の院に来て下さりました。もらった薬を見せてくださいましたが、ロキソニンの後発薬(ジェネリック)と胃薬でした。
トリガーポイント療法で治療をしたら、すぐに楽になりました。
患者さんが訴える痛みの原因が、急性期の炎症ならば、徒手療法でよくなるのでしょうか?
はっきりした原因もなく、頭頂付近(画像のピンクの部分)に暖簾が触れるだけでも痛みが走るので、医科を受診。医科では、後頭神経痛?ではないかと言われただけで、薬も検査も患部に触れられることもなく、しばらくしても痛みが続くなら、MRI検査でもしましょうと言われ、そのまま帰されたそうです。
ギックリ腰を起こした時に、私が行ったトリガーポイント鍼がよく効いたのを思い出して、頭の痛みにも効果がないかと来院された高齢の患者さん。詳しく聞くと、頭痛が起こる二日くらい前から、異様に首筋が凝り、その後、首の凝りがマシになった頃から頭痛が起こったそうです。
頭痛と言っても、表皮の痛みのようですが、念のためにレッドフラッグの取りこぼしがないように、問診や徒手検査は慎重に行いました。後屈してもらうと、右側の頚部の筋肉がうまく機能していませんでしたので、後頭下筋群を重点的に、最長筋、半棘筋、肩甲下筋もあわせて治療しました。その場で痛みは楽になりましたので、後頭神経痛ではなく、単なるMPSと思われる症例でした。(診断ではなく判断)
後頭神経痛で検索すると、脳神経外科のサイトでさえ、矛盾だらけと思えるような内容を羅列していますから、多くの患者さんは、頭の神経が押さえつけられているから痛む。それを疑う事もないでしょうね。手のみ数分の治療で取れる痛みなのに。。。
いわゆる手首の腱鞘炎の症例です。腱鞘炎は長拇指外転筋腱、短拇指伸筋腱の炎症と考えられています。痛みが起こっている部分を原因と考えるか?それとも、他の場所に原因があり、その部分が炎症を起こした。つまり結果と考えるのか?
わかりやすく書くと、膝をかばっている間に腰が痛くなる→腰を治療すると楽になるが、すぐに元に戻る。このような場合は、膝の治療が必要になってきます。しかし、実際はそんな単純なものではなく、隣り合わせた筋肉どうしだけでなく、身体じゅう膜で繋がっていますから、遠く離れたところが、痛みを訴える場所に大きくかかわっていても不思議ではありません。
そこに、痛みを認知する脳と言う部分が加われば、さらに複雑です。ある部位を治療して良くなった=そこが原因だったとも言い切れないことにもなります。あくまで、そこを操作してリセットしたと言うほうが適切かもしれません。
先述した病態で、手術を勧められていた患者さん。長拇指外転筋腱、短拇指伸筋腱、その筋骨接合部を治療しましたが、痛みは随分楽になって仕事にも復帰できたのですが、今一つすっきりしません。結論から言うと、腕橈骨筋の起始部の治療でうまく行きました。
運動連鎖と言う意味では、腕橈骨筋を候補にあげることは、そう難しくありません。ただし、患者さんが訴える場所以外を治療すると言うことは、私が何故そう推測したかを理解してもらう必要があります。
この方の場合を例にあげれば、手首の痛みに対して、肘のうえ辺りに鍼をすることになります。すべての患者さんが、理解してくださる訳ではありませんし、医科が扱う保険診療では、制度上の問題もでてきますから、全身を診た方がよくても、患部のみを診ると言う形にならざる負えないと思います。
・江原鍼灸整骨院. 電話 075-463-8639
・京都市中京区西ノ京御輿ケ岡町10番地
・営業時間 9:00~12:00 16:00~19:00(水・土 午前中)
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私の院は、自宅と別の場所にあります。ですから、自宅の電話番号は、通常患者さんは知りません。でも、今まで数回、自宅のほうに患者さんから電話がかかることがありました。
土曜日の夕方、一人暮らしの高齢の女性の患者さんから、頭痛がしてたまらないので診てほしいと電話がありました。自宅のほうへ行きますと言うと、私のほうから行きますと返事がありました。
頭痛で重要視しなければならないのは、脳血管障害 etc レッド・フラッグの除外です。
今回のような頭痛の経験は以前にもあった、自力歩行が出来る、意識レベル正常 会話のやり取りがスムーズ etcこの患者さんのような場合、多くは問診で済みますから、怠らないようにしましょう。
話を聞いていくと、自宅にいると不安で心が支配され、思わず戸外に出てしまうこともあるようです。自律神経失調症、不安神経症やパニック発作という病名がつくかもしれません。いずれにしても、脳、身体、心のバランスが不安定なのでしょう。言い換えれば、患者さんが、よくなる邪魔さへしなければ、上記どこを切り口にしても良いわけです。
私は、筋肉を中心に繋がりという視点で患者さんを観ていますが、いつ考え方が変わるかもしれません。今回は、右の側頭に、繋がりが停滞するような感じを受けましのでが、そこを操作しただけで、随分良くなられて帰っていかれました。私が手に感じたものが、何を意味するのか私にもわかりません。儀式的な効果でよくなったのか?安心を与えただけで、よくなったのか?いずれにしても、よくなる邪魔はしなかったようです。
カテゴリ:症例報告 ,自律神経失調症 その他の症状
ebara / 2012年09月04日(火) 08:01