子供を抱き上げる際に、腰に激痛が走ったと言って来院された30歳代の女性の患者さん。
主訴は、腰の右側の痛み。あらゆる動作で痛みが増強、エビのように寝ている時は少し楽。
一回目の治療では、右は多裂筋、左は腸肋筋に強烈な感作がありました。二回目の治療時、一回目の治療で八割は楽になったが、左足をあげる(立ちながらズボンを履く)動作で右腰に痛みが出る。
痛みを訴える右腰を触診するも、あまり反応がないので、股関節を屈曲する時に痛みが出るので、その動作と関係がありそうな左の殿筋の深層を治療すると、強烈に感作された場所がありました。治療後、全ての動作がスムーズに行えるようになったので、略治としました。
患者さん訴える場所と、自分が考察した場所が違うのに、治療がうまく行くケースは少なくありません。
先日も、20年以上前に腰の手術をして、主訴である左足の痛み痺れは取れたが、右腰が度々寝込むほど痛くなると言う患者さんが遠方から来院されました。
この方も、手術以前から左の殿部の機能の低下が左の脚の痛み、痺れを起こしていた→手術をしたが殿部の筋肉の機能の低下は残ったまま→それをかばう為に右腰が度々痛くなる。
そう考察して治療をしたら、左の腰よりも、右の殿部に感作されたところが沢山見つかり、上手く行きました。その後、20年来の痛みが一回の治療で驚くほど良くなって、つつがなく過ごせていると言う嬉し報告が、紹介してくださった患者さんからありました。
治療効果があがらない場合は、少し視野を広くした方が良い結果が出る場合があります。もちろん、プラセボ効果かもしれませんが、備忘録としてUPしておきます。
一人目の患者さんの、二回目の治療ポイント
歩いていると、ふくらはぎが痛んでくると言う60代の女性の患者さん。
ふくらはぎの触感を一言で言うと、硬化して弾力が無くなったゴムのようです。体全体の皮膚の色も悪く、乾燥肌で、内分泌系の疾患でも抱えているかのような感じです。
実は、この患者さんは、二月ほど前にも同じ症状で来院されています。今回の問診でも特に気になるな疾患も無く、深部反射 etcにも問題がない。この二ケ間の様子を聞くと、凄く調子がよかったそうなので、動脈硬化などの脈管系の問題もないように思えました。
膝が長らく正座が出来ないので、股関節、足関節の機能も失調していましたので、あわせて治療して様子を見てもらうことにしました。
痛みは、すぐに良くなりましたので、MPSと言う判断で良いと思いますが、私見ですが、この患者さんの場合、肥満や皮膚の色etc (視診)から、 血液像に異常所見がでていなくても、食事や運動など生活習慣を変えていく必要があるように思える症例でした。未病と言うと胡散臭く思われる方も居るでしょうが、東洋医学的な診方も重要だと思います。
気候の変わり目なのか?風邪を引いて咳を繰り返している間に、脇腹に痛みが起こった50歳代の男性の患者さん。
咳で肋骨が折れたのかと思い、病院に行ったところ、レントゲンは撮って貰えず、肋間神経痛と診断されたそうです。結局、痛み止めと湿布が処方され、暫く様子を見ましょうと言われたそうですが、三週間経過しても痛みが引かないので、紹介で来院されました。
特に、左の脇腹の痛みがひどいそうです。
肋骨への圧迫で痛みは誘発されないので、骨折は考えにくいと判断しました。体幹の左右の回旋、吸気時に痛みが誘発されます。
肋骨角の上部や前鋸筋のジャンプサインがあるポイントをリリースし、横隔膜も同時にリリース。他にも、斜角筋。肋骨角を押さえると脇腹に関連痛が生じます。上部胸椎付近で、呼吸が抑制されているように感じたので、呼吸リズムが回復するように治療をしました。
筋肉は繋がって動いていますから、単純に○○筋が原因とは言えないケースのほうが多いように感じますから、総合的に判断し治療を行っていきました。
治療後は、痛みが嘘のように楽になったと言ってお帰りになりました。もちろん、訴えられる痛みをうまく解除できても、それを機に良くなるのか?また、繰り返すのか?それは、誰にもわかりませんが、こんな簡単な治療で痛みが楽になるのなら、MPSと考える方が妥当ではないでしょうか?
・江原鍼灸整骨院.
・京都市中京区西ノ京御輿ケ岡町10番地
・電話 075-463-8639
・営業時間 9:00~12:00 16:00~19:00(水・土 午前中)
小さなころから、クラシックバレーを本格的に習っている10代の女性の患者さん。
土踏まずが痛くなったと言って、数年ぶりに来院されました。世間一般では、足底腱膜炎と呼ばれる病態でしょうか?
バレーコンクールで表彰され、この秋からヨーロッパに留学する事が決まっているそうで、練習も毎日遅くまで行っているそうです。バレーの事はよくわかりませんが、知る限りでは、足首の底屈、背屈が強要されます。当然、それ以外にも大腿や殿筋、体幹の筋肉も大きく関与します。
保護者の方は、市内では誰でも知っている大きな病院の整形外科に勤務される看護師さんです。娘さんに痛みが出ると、私のような代替医療家を頼りにしてくださります。
本当に、ありがたい事です。
トリガーポイントの関連痛パターンでは、写真のような腓腹筋の内側頭になりますが、私は関連痛パターンを参考程度にしか使いませんから、下腿の伸側と屈側の両方にアプローチしました。
二回目の来院時は、主訴の土踏まずの痛みは全て取れたが、今度は痛みが下腿をあちこち移動すると言う訴えでした。特に動作で痛みが変化すると言う事はないようです。
細かく診ていくと前脛骨筋の脛骨付着部に沢山の感作部位がありました。足裏に痛みを出す関連痛パターンである、下の画像の腓腹筋の内側頭にも感作部位がありました。オーバーユースの兼ね合いはあるでしょうが、同じような治療計画で良くなる感じです。
下の図は土踏まずの関連痛パターンです。
私個人の考え方としては、あまり関連痛パターンに拘らず、想定した筋肉を大きくカバーしながら、最終的に悪い部分を絞っていく方が手っ取り早いように思います。
京都で、足底腱膜炎、アキレス腱の痛みでお困りの方は、お気軽にご相談ください。
・痛みの体験記
・ブログを書く理由
・こんな症状の方が来院
・トリガーポイント療法専門院の江原鍼灸整骨院.ホームページ
・京都市中京区西ノ京御輿岡町10番地
(JR円町駅を北へ徒歩5分。島津アリーナ京都を南へ100メートル。)
円町、大将軍、白梅町、等持院、花園、西ノ京、太秦、鳴滝、宇多野、御室方面からもすぐです。
・診療時間 9:00~19:30(水・土 午前中のみ)
・定休日 日曜日 祭日
・電話 075-463-8639
・「ホームページをみて…」とお電話ください
見ず知らずの関東の治療家の先生から紹介いただき、来院されたAさん。
症状と経過は、約1ケ月前に自宅でストレッチ中に股関節に違和感があり、そのうち治るだろうと思っていながら日課のストレッチを継続していたら、腰まで痛くなり、右の股関節が胡座をかけなくなり、ズボンをはくのが困難。
横臥医で患側を上にして(股関節の前・後面が同時に処置できるので、時間が短縮できます。)大腰筋(股関節の屈曲に関係)、殿部の筋肉、縫工筋にアプローチ。最後まで残った股関節の外旋時痛は、梨状筋をもう一度刺鍼。施術後はすべての動作が無痛になったので経過を見てもらうことにしました。
高齢のBさんは、2月前から殿部と右下肢に疼痛が出始め整形外科を受診。
整形外科では坐骨神経痛と言う診断で、定番のブロック注射だけでなく、鍼治療もしてくれたようですが効果なく、最近では痛みのため眠りも浅く、朝早くに目覚めてしまうようになったそうです。そこで整形外科に行くのを辞め、ご紹介いただいた治療院に通院されていたようです。ご紹介くださった先生は鍼治療をされないので、患者さんが鍼治療を希望されたため、私の院を紹介してくださいました。
こちらの患者さんも、中殿筋の前方線維に発痛しているポイントがありました。施術後、院内を歩いてもらい様子を見てもらいましたが、痛みが随分楽になったと喜んでお帰りになりました。しばらくは加療が必要だとは思いますので、また経過を書ける機会があればUPしたいと思います。
急性炎症の五大兆候を呈する男性の患者さんが見えられたのが先週の事です。
画像では分かりにくいかもしれませんが、右手首が赤く腫れあがって熱感がありました。
鍼でなんとかならないかと言う事でしたが、問診しても手を付いたりした覚えはないと言う事なので、かかりつけの医師のところで事情を話して、血液検査(除外診断)をするように勧めました。
こう言う時に一番最初に頭に浮かぶのは、偽痛風や関節リウマチではないでしょうか?
画像では分かりにくいですが、熱感があり赤く腫れあがます。特に4指、5指の間は腫れで骨間が分かりにくくなっています。
23年2月17日撮影 (画像掲載承諾済み)
血液検査の結果をお持ちになられましたが、CRP,血沈の数値が高値を示していました。
高値=即、リウマチと言う事ではありません。何か炎症があると言う事が分かっただけです。医師はリウマチの心配は無いでしょうと仰ったそうです。昨日来院された時は、腫れも痛みも無くなっていました。
23年2月21日撮影
ある患者さんは4軒目の病院でリウマチの確定診断が出来ました。上の記事の患者さんも、繰り返すようならば再検査が必要になるでしょう。MPSの治療は並行して行えば良いと思います。
40歳代の男性の患者さん。
数ヶ月前から、就寝時、背部か腰部か自分でもはっきりしないが、電撃痛のような痛みに襲われ、数か所の病院で、MRIやレントゲン検査を受けるも異常なし。
痛みは、どの方向へ躯幹を運動させても、増悪や誘発すると言う事はなく就寝時突然起こり目が覚めるようです。同時に異様に腹筋がパンパンになるとも仰ります。皮膚の状態から気になったことがあったので、尋ねてみると、喘息の治療をしておられる事がわかっりました。そこで、腸肋筋の付着部の肋骨角に刺鍼をすると、あ~そこですと言う認知覚と呼ばれるポイントがありました。
修業時代、トリガーポイントと言う概念はありませんでしたが、胸が痛いので狭心症の検査をするも異常なし。このような患者さんの背部の筋肉を緩めると、そのような発作が起こらなかったり、ずいぶんマシになると言う経験を幾度もしてきました。その時は、単にア是穴に鍼を打つだけで、筋肉の事など考えていませんでしたが、それなりに効果がありました。
昨日も、ここ数日風邪で体調を崩し、持病の喘息が頻繁に起こるようになった、60歳代の女性の患者さんが、おみえになりました。同じく、肋骨角を押さえると、あ~そこそこと言う認知覚が起こりましたので、丁寧に処置すると、呼吸がとても楽にできるようになったと、喜んでお帰りになりました。
上のような症状は他にも、大胸筋、前鋸筋、etc があげられますが、女性が患者さんの場合、大胸筋や前鋸筋は、デリケートな場所ですから、アプローチできない場合があります。
私がおこなう鍼施術の場合は肋骨角が一番簡単です。浅い刺鍼ですみますし、骨に当てて止める事で、気胸の心配なく安全に施術する事ができますので、第一選択肢に前述したような筋肉からアプローチする事が多いです。徒手治療でも、肋骨角は簡単に探れますので、簡単に応用できますね。
前鋸筋
2が肋骨角
陸上競技を本格的に行っている10代の女性患者さん。週末に大きな大会を控え、運動量が増えたのが原因でしょうか?
踏み切りをする方の足の裏が痛いと言う訴えです。世間一般では足底腱膜炎と言われる病態でしょう。レントゲンで踵に骨棘があると、それが神経に触っているのが痛みの原因と言われるケースもあります。痛みは歩行には問題ないのですが、踏み切る時(つま先立ちの態勢時)に足裏に痛みが起こります。足底の触診では目立った圧痛などありません。
触診でアキレス腱の内側に索状硬結がありましたので、試しに鍼刺激を加えると認知覚と呼ばれるものが再現できるゾーンが同じ深さで列になってみつかりました。治療後は痛みが起こる動作を再現してもらいましたが、10→0になったので様子を見てもらう事にしました。
こんな単純な治療ですぐに改善する訳ですから、足底の炎症や神経などの問題ではなく、単純にアキレス腱付近の筋・筋膜性疼痛症候群だったのでしょうね。アキレス腱付着部のトリガーポイントは、足底腱膜炎と同じような痛みを出す時がありますので、注意が必要です。
京都で、足底腱膜炎、アキレス腱炎でお困りの方は、お気軽にご相談ください。
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物を持ち上げたときに、左の胸から背中に痛みが走り、2日間何も出来ず寝ていた患者さん。息を大きくすると痛みが走ります。念の為に肋骨付近のトラブルを疑いましたが、どうやらMPSのみのようでした。
手技の治療終了後、胸の方の痛みよりも、肩甲間部のほうに強い痛みが移動しました。肩関節の可動域も、まだまだ制限されています。
久しぶりに、左足の第4、5中足骨の最大圧痛とバイオイエローの効果を見て2個。左の孔最に1個追加。これで可動域は大きく改善しましたが、痛み自体は全て取りきる事が出来ませんでした。
本来、背部の痛みを膀胱系と考えると、小指の外側に反応点を求めるべきなのでしょうが、靴を履くときにバイオがこすれて痛む場合があるので、私は上記のようなやり方をします。
また、今回使用した孔最は、子午治療と言う意味あいもありますが、最初胸に痛みがあったので、痛みがあったほうの、胸を通る肺経を使ってみたら、さらに可動域が改善したと言う事です。
胸を通る経絡は他にもありますから、もっと丁寧にさぐればより良い効果が得られたかもしれません。ただし、最初の状態から考えれば合格点は出せそうです。
顎の周りから首にかけて痛みを訴えて来院された30歳代の女性の患者さん。
明確にココが痛いと言う訳でもありません。歯石を取るために口を長時間開けていたのが原因なのか?
小さな子供を抱えているのに、来月は外科的な問題で入院が決まっているストレスが原因か?いずれにしてもMPSだと判断して、赤い印の部位に1寸3分、1番鍼で単刺治療+徒手治療。すぐに症状は取れました。
1ケ月程前から、何の原因も無く右肩が痛むと来院された、30歳代の男性の患者さん。
可動域は問題も無く確保されています。腕を前で組む、後ろで腕を組んで伸ばすような動作をすると三角筋全体が痛むような感じ。
しかし、明確にココが痛いと言う訳ではありませんが、運動考察から罹患筋を考え置鍼治療。抜鍼後、動作確認をしてもらったところ、ほぼ痛みは消失しましたが、大腸経のラインにまだ少し痛みがあるようです。
言いかえれば、痛みの箇所が浮き彫りになりました。手三里の辺りに著名な圧痛があったので、ここに鍼で刺激を入れたところ、肩の痛みは無くなりました。