50歳代の男性の患者さん、主訴は右脚の痛みと痺れです。
この患者さんは、年に一度くらいこのような症状で来院されます。今回はこれで3度目、カルテを見るといつも2回で治癒しています。
前回は、中殿筋の後縁部に感連痛を誘発するポイントがありましたが、今回はそのポイントではなく、腸径靭帯の上から小殿筋を圧しようと軽く押しただけで、下肢に関連痛を誘発するポイントが見つかりました。
仙腸関節の機能を回復するとともに、股関節周りの筋肉を等尺性収縮を使ってリリースしてみました。治療後の痛みは、施術前を10⇒2に良化しました。
年末から徐々に右側の殿部に痛みが起こり始めました。
近医にて殿部にTPB注射をされていたようですが、あまり効果がみられないので来院された80歳代後半の男性の患者さん。
初回、2回目と荒田起こしのように殿部の筋肉に鍼をしましたが、あまり効果がみられません。
実際は2回の治療でかなり罹患筋が処理できていて、痛みの範囲が限定されて来ているように思えるのですが、患者さんが効果が無いと判定しているのであれば方法を変える必要性も出てきます。
そこで、膀胱経と胆経の井穴から中足骨にかけて丹念に圧痛を探り、その圧痛点が効果あるのかどうかテストを行い、バイオイエローを貼り付けました。4か所貼り付けた時点で痛みは半減しました。後は操体を加え、心地が良い状態を感じてもらいました。
治療後は、かなり除痛できたように思えます。
今日、科学新聞社から送られて来た、カイロジャーナルに目を通した。
シルバーウィークに東京で行なわれた、加茂先生の痛みの講座の記事が出ていた。加茂先生の記事は、(いかに脳に介入するか)と言う言葉でまとめられていた。私も、まさしくその通りだと思う。
股関節を手術してから、痛みが酷くなった中年の女性が、久しぶりに来院された。
本人のお話では、術前は痛みが起こっても暫らくの間だけ痛いだけであったのが、術後は慢性的な痛みを抱え困っておられた。将来、このままでは歩けなくなるかもしれないと言われ、手術に踏み切ったそうである。おまけに術後は、股関節に負荷をかけないように、松葉杖の生活を1年間しいられたそうである。触診では患側の脚、とくに外側がパンパンだったのを覚えている。
今日の主訴は別にあったので、先にそちらを処置してから股関節や脚を触らせてもらった。触診しても、以前のようにパンパンに張った感じはなく、改めて患側の脚がどちらであったか本人に確認する程左右差は無くなっていた。
行なった治療と言えば、真似事のようなTP鍼が2回。患部中心の徒手治療が数回。あわせて5回程度。患者さんも、最近は痛みに悩まされるような事はなく、快調そのものだと喜んでおられた。この患者さんには、痛みに関する本をお貸しして痛みの勉強もしていただいた。
私自身は、今回の患者さんの場合、身体的な治療よりも、一時的な除痛と意識の変革→運動→自信→脳への介入。とうまくいったように思える症例であった。
尚、カイロジャーナルは無料で購読出来ますので、購読を希望される方は登録されてはいかがでしょうか。
50歳台後半の男性の患者さん。今までに、何度もギックリ腰を経験されています。
以前持参されたMRI画像でも、どのレベルだったか忘れましたがヘルニアがありました。
ここ数年は、海外へ単身赴任されています。
今回、右の股関節痛が長引くので、病院へ受診されたそうです。
医師による診断によると、股関節には問題は無い。
ヘルニアによる痛みだろうと言う事だったそうです。
赤い印の箇所に強い圧痛と、索状硬結がありました。
そこへ、鍼施術と関節へのマニュピュレーションのみで、痛みも無くなり、関節の動きも元に戻りました。
この程度の治療で良くなるのなら、MPS以外他に何が考えられるのでしょうか?
惜しむべき事は、何度も経験した海外でのギックリ腰で、動作恐怖症が植えつけられてしまっている事です。皮膚状態やお話される内容から、非常にストレスフルな生活を送っておられるようです。
ヘルニアの矛盾や、MPS、TPの概念をお話しても、一度植えつけられた動作恐怖症を克服するのは、容易ではありませんね。
60歳代の男性の患者さんが、右の股関節痛(本人の話では大腿外側)が、2週間前から、風邪で、10日ほど寝込んだ後に出てきたそうです。
総合病院へ受診。レントゲン異常無し。
局所に1ケ所注射(TPBと思われる)。痛み止め1日分の処方。
骨には異常は無いが、炎症が起こっているのでしょうと言う診断だったそうです。
その診断に納得が出来ず来院されました。
股関節を屈曲した時、大転子の後方に、ひっかかるような痛みが出ると言う事です。
20本の鍼を置鍼して、上から赤外線で温めた後、明確になったポイントへの圧を加えて、股関節の屈曲で痛みが出ると言う事なので、特に圧痛は認めませんでしたが、補助的に、腸腰筋に単刺(鍼を刺して、すぐに抜く。これの繰り返しの手技)と、その部分のストレッチで、症状は消えました。
ホント簡単な施術です。
いつも、こう上手く行くとは限りませんが・・・
病院での、TPB注射の効果が薄かったのは、注射針の性質上、TPにまで届いて無かったのでは無いでしょうか?
赤い印は痛みのあった箇所
青い印は、鍼治療した箇所です。