40代男性のAさんは、10日ほど前から左の背中が痛み出し、だましだまし仕事をしていたそうです。
今朝からは、息が出来ないほどの痛みに襲われ、当院を受診されました。
動作分析や触診などから、左の第8~11肋骨の高さで、最長筋と腸肋筋の間を押さえると認知覚が発生しました。
しかし、この部分は下に肺があるので、不用意に奥に鍼を進めると気胸を起こす恐れがある部位です。
そこで、エコーガイド下筋膜リリース鍼で、安全を確保しながら、施術を加えました。
帰るときには、10の症状が、0.5にまで良化していることを確認し、1回の治療で略治とした症例です。
(患者様に同意を得た上で、画像、動画を掲載しています。)
下で動いているのが(肺)胸膜です。
その上を立てに動いているのが鍼です。
胸膜の深さまで鍼が入らないように気を付けながら、鍼を操作しながら認知覚を探しました。
★全ての患者様に、エコーガイド下筋膜リリース鍼を行うわけではありません。
・江原鍼灸整骨院. 電話 075-463-8639
・京都市中京区西ノ京御輿ケ岡町10番地
・営業時間 9:00~12:00 16:00~19:00(水・土 午前中)
・定休日 日曜日 祭日
カテゴリ:背部の痛み
ebara / 2016年05月19日(木) 15:21
ぎっくり腰は、みなさん聞いたことがあると思いますが、背中にも同じような痛が起こることがあります。
ぎっくり背中と言うと分かりやすいかもしれません。
ただ、背部の深層は肺があり、胸膜を鍼で貫いてしまうと気胸にる恐れがあります。
万が一、気胸になると息が出来なくなるので、不用意に深層を治療するのは、危険を伴います。
下の動画は、エコーガイド下筋膜リリース鍼の様子ですが、胸膜の位置を把握しながら、背部の胸最長筋の深層を治療している様子です。
見辛いかもしれませんが、矢印の先に鍼があり、右下で動くところが胸膜です。
エコーガイド下筋膜リリース鍼は、可視化しながら安全に、危険を伴う場所を治療することが可能です。
下の画像が、胸最長筋です。
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ebara / 2016年03月17日(木) 20:45
背中の痛みで来院された40代男性の症例です。
第7肋骨に、エコーガイド下で鍼をした時の様子です。
見辛いですが、画面中央の黒い塊(肋骨)をモゾモゾ突いているのが鍼先です。
鍼先が肋骨を越えると肺があるので、気胸を起こす可能性があり危険ですが、エコーで確認しながら安全を担保していますので、一般的に危険と言われる部位にも鍼をすることが可能です。
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ebara / 2015年10月30日(金) 12:30
60才代の女性の症例です。 徐々に背中から腰が痛くなり、伸ばそうとすると背中に激痛が走り、ぎっくり背中とでも言うような状態で、家族に抱えられ京都市上京区の方から来院されました。圧迫骨折の可能性もありますので、簡易的に棘突起を打腱器を使って叩いてみても、痛みを誘発することはありませんでした。すぐに除外しておかなければいけない内科的な疾患などもく、鍼灸治療を開始しました。
初回は、右の背部の最長筋に認知覚を認め、そこを治療すると可動域はすぐに改善、痛みも7割は取れました。二回目に来院された時は、前回の治療箇所は良化しており、変わりに左の多裂筋の仙骨付近に認知覚を認めました。
そこを治療した後、動作確認をしたところ、痛みが消失しましたので、略治とした症例です。
カテゴリ:背部の痛み
ebara / 2015年01月24日(土) 07:41
約1ケ月ほど前に、隣県から来院された女性の患者さん。陣痛よりも強い猛烈な痛みが続き、痛みと格闘して、疲れ果ててようやく数時間寝られるという訴えでした。男の私にはピンと来ませんが、相当な痛みであることだけは理解できました。
痛みを押し殺して病院へ行っても、画像診断異常なし→湿布の山と痛み止め。到底効くはずもなく、医師からは適切な説明もないまま、経過観察。途方にくれてネット検索され、来院してくださったそうです。二回来院してくださったのですが、その後お顔を見る機会もなく、経過もわからず気になっていましたが、元気な姿で来院してくださりました。
私のなかでは、唯一気になっていた病態があったのですが、細かな血液検査も異常なかったようですから、炎症性疾患や膠原病でなく、MPSだったのでしょうね。
今回のケースは、トリガーポイントに拘らず、いかに交感神経の過緊張を取ることが出来るかを優先しました。治療後は、痛みのため数日食事が出来なかったものが、身体がポカポカして食が進んだそうです。私の治療が、どこまで役に立ったかわかりませんが、もう一生寝たきりかもしれないと思う程強烈な痛みから、元気な姿を見せていただけると、日々自分の力の無さを痛感している私にとって、大きな勇気と元気を患者さんからいただきました。
私は、医師ではありませんから、診断はできません。痛みを訴えて来られた患者さんに、除外診断が必要なのも充分理解できます。しかし、問診で事足りることも多いはずです。猛烈な痛みを発する解離性動脈瘤 心筋梗塞 尿管結石 胆石発作 etc などの内臓由来とも言える痛みなら、痛み以外にも、他覚所見がある場合もあるでしょう。それこそTPB注射などは効果ないでしょうから、TPB注射をすることで同時に診断も行えそうなものですが、いつまで経っても進歩がないですね。原因を探るのは後にしてでも、まずは痛みを全人的に捉え、優先的に除痛をしてから、除外診断を進めればよいように思うのですが。。。。
昨日、色々書きましたが、言える事は、痛みはMPS、原因はTPと言えるのでは無いでしょうか?
筋・筋膜性疼痛症候群やトリガーポイントの活性化の発生原因を考えて行くと、正直答えも出ない事を、あ~だ、こ~だと考える事になります。
シンプルに考えてTPへの治療すれば良い事です。
何故、今回姿勢や動作に改めて、目を向けるようになったのか、一つの症例をあげておきます。
患者さんは、30歳代の保育士さんです。痛みを訴えるのは、赤い印の菱形筋と言う部分です。
確かに、この部分には明確な圧痛が存在します。
TPチャートでいけば、菱形筋自体がTPとなります。
首を動かすとたまに、赤い部分に電気が走るとような痛みがあるそうです。
しかし、色々な動作をしてもらっても、痛みが再現する事はありません。
菱形筋は、互いの肩甲骨を引き付けるような働きをします。
TPの理論でいけば、もし、この筋肉が責任TPのならば、先に挙げたような動きを再現したら、痛みが誘発されるはずです。
再現性は無いけれど、首を動かした時に、たまに起こる電撃痛を加味して、よくよく問診してみると新たな問題が出てきました。
最近、途中入所の二歳児(これくらいの年齢が、一番手がかかるそうです)があり、毎日だっこの連続だそうです。
左手に子供をだっこしながら、右手で他の作業をする。と言う事になります。
だっこのポーズを自分でしてみると、常に左の肩甲骨を引き上げて、肩が落ちるのを防ぎ、そちらの方に首を傾ける動作をする事になります。
少し専門的に言うと肩甲挙筋や小胸筋を常に緊張させている訳です。
触診すると、案の定そこにも、結構な圧痛点が存在しました。
赤い印は勿論の事、そのような部分のフォローも施しておきました。
その治療が正しかったかどうかは不明ですが、それ以降治療に来られて無いところを見ると、良い方向に向いていると思います。