巨人軍の澤村投手が、鍼施術で、長胸神経麻痺になったと言う記事が出ています。
鍼灸師として、一言書かせてもらいたいと思います。
通常鍼灸で使う鍼の先は、松葉のような形をしていて、組織を出来るだけ傷つけないようになっています。
鍼は柔らかくしなるので、まっすぐには進みません。
硬い組織に当たると、組織をなめるように避けてくれるようとします。
痛みを出している組織は硬くなっているところが多く、硬くなった軟部組織では、血管の逃げ場が無いためか?少し出血する場合もありますが、すぐに止まります。
血腫が出来て、神経を圧迫して麻痺につながるような事は無いように思えます。
鍼で神経を刺激すると、その領域に一時的に電気が走ったような感じがするときもありますが、すぐに収まります。
稀に、首に鍼をしていて、足に電気が走るような感じがするときなどがありますが、支配神経領域から遠くかけ離れていたりしますので、神経に触れたような刺激でも、上記のように考えると関連痛なのかもわかりません。
施術が進み、組織が柔らかくなれば、出血やあたかも神経に触れたような刺激は、起こりにくくなります。
一方、注射針は、ストローを斜めに切ったような刃先で、組織を切り裂くことが可能ですが、その注射針でも、神経損傷を起こすことはレアなケースです。(採血時の橈骨神経損傷など)
ブロック注射は、わざと神経を狙いますが、針(鍼)が、神経に当たっただけで損傷する確率が高ければ、ブロック注射などは、医療訴訟の観点からも出来ないと思います。
当院では、毎日、数多くの鍼を打ちますが、いまだにそのような事例を経験したことがありませんし、同業の方からも、そのような事例を聞いたことがありません。
乱暴な手技をすることは論外ですが、少なくとも解剖学を熟知し、神経や血管の通り道を理解していれば、大きなトラブルは、防げるように思えます。
同じような事が、加茂先生のブログにも書かれています。
加茂整形外科の心療整形外科のブログ記事⇒http://junk2004.exblog.jp/27109443/
カテゴリ:鍼灸
ebara / 2017年09月12日(火) 15:31