下の論文には、鍼治療で重症の便秘が軽減する可能性があると書かれています。
個人的に鍼灸は、痛み以外の治療にも、まだまだ可能性のある治療法だと思います。
「電気鍼治療」と呼ばれる現代式の鍼治療により、重度の便秘を緩和できる可能性があることが、新たな研究で示された。
この治療法は、機器を取り付けた細い鍼を皮膚の下へ挿入し、電気パルスを体内に送るものだ。
今回の知見は、難治性の便秘症患者に対して安全かつ有効な選択肢を提供するものだと、複数の専門家がコメントしている。
カルガリー大学(カナダ)カミング医学校消化器科臨床准教授のChristopher Andrews氏は、「このような代替療法は裏づけとなるエビデンスがないまま実施されていることが多いため、今回の厳密な検証は励みになるものだ」と指摘する。
本研究では、慢性的かつ重症の機能性便秘(内科疾患や薬剤などの原因がなく、排便回数が週2回以下の便秘)をもつ患者を対象とした。
患者1,075人を無作為に2群に分け、半数は腹壁の筋層に鍼を刺す治療を、残りの半数は鍼治療では効果がないと考えられている位置に浅く鍼を刺す「偽治療」を受けた(対照群)。
~中略~
8週間にわたる治療期間中、電気鍼治療群の31%に平均週3回以上の便通がみられたのに対し、対照群で同レベルの便通が得られたのは12%のみだった。
原著論文はこちら
Liu Z, et al. Ann Intern Med. 2016 Sep 13. [Epub ahead of print]
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27618593
カテゴリ:鍼灸
ebara / 2016年09月30日(金) 08:10