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罹患筋の特定を関連痛パターンから検出するのは危険。 - 治療室日記

トリガーポイント研究会 HPより抜粋

http://k-tp.jp/professional/reference

Myofascial Pain and Dysfunction: The Trigger Point Manual

TPについての記念すべき金字塔であり、全ての骨格筋について、トリガーポイントの診断、治療が述べられた本です。

然し黒岩が、鍼灸技術に含まれる暗黙知と鍼灸治療の経験知を用いてトリガーポイント検索法を確立し、「責任トリガーポイント=発痛部」仮説を誕生させた(2000年頃)今となっては、読む意義は殆ど失われたと言えます。

下の画像は、僧帽筋の上部が頭痛のように感じてしまう、TPの関連痛パターンを示したものです。

私は、患者さんに自分が感じている痛みが、実は遠く離れたところに原因があると分かって貰うために使用するくらいで、関連痛パターンだけで筋を同定していくことはありません。

トリガーポイントの概念も、約30年前にTravell & Simons博士の本が出てから、研究が積み重なり大きく中身が変わったようです。

臨床の現場では、関連痛パターンから逆算して、罹患筋を細かく同定していくのは、とても難しいように思います。

それに、痛みを抱えている時間が長い場合、ひとつの筋肉だけが悪いと言う事は稀ですから、罹患筋の特定を関連痛パターンのみから検出するのは、取りこぼしが多くなる危険性を含んでしまいます。

カテゴリ:鍼灸

ebara / 2012年04月10日(火) 08:46