梨状筋は仙骨から大腿骨大転子の上端に伸びている外旋筋で、胡坐をかくようなポーズで機能する筋肉です。
股関節の回旋筋を通過する前に梨状筋の表面に現れる坐骨神経を、梨状筋が圧迫することによって、痛みやシビレが臀部や大腿部および下腿部の後面全体、ときに足にまで及ぶことがあると言われています。
そもそも、神経が圧迫されると痛みが起きるのでしょうか?
この考え方には矛盾がたくさんあります。
一例をあげれば、足の裏は地面に常に押し付けられ圧迫されていますが痛みは起きません。
痛みの原因の多くはレントゲンやMRIなどの画像には写らない、筋肉の機能不全やトリガーポイントが大きな問題と考れば、色々な矛盾が解けてくるはずです。
トリガーポイントの治療には、関連痛の理解や筋肉の中にできたトリガーポイントを見つけ出すには、高い触察技術がないと的確な治療が行えず、痛みはなかなか良くなりません。
また、関連痛が生じると痛みを感じているエリアの筋肉にも新たなトリガーポイントが発生しますので、二次的なトリガーポイントの発生によって、新たな関連痛を起こし始めるという複雑な痛みの構図が出来上がります。
当院では、筋膜性疼痛症候群(MPS)、の考えに基づき、悪くなっていると考えれる筋肉、専門用語で罹患筋(りかんきん)と呼びますが、それを見つけ出し、罹患筋の中にできたトリガーポイントを治療します。
ま た、痛みに限らず、患者様が訴える痛みや症状には不安や恐怖が大きくかかわっています。
この不安や恐怖が無くなった時に、人は自然治癒力を最大限に発揮で きる状態になると考えます。
必要と判断した場合は、痛みが再発しにくいように、メンタルケア、生活習慣などの指導を行います。
下の図のように、 赤いエリアが痛いと思う場合でも、実際は×のマークが痛みの発生源ですので、そこの治療が必要です。このような現象を関連痛と呼びます。
【イラスト図出典:『Myofascial pain and Dysfunction The Trigger Point Manual』 より引用 】
http://www.ebara-acupuncture.com/archives/17571
ebara / 2014年10月02日(木) 10:37