40歳代の男性の患者さん。
数ヶ月前から、就寝時、背部か腰部か自分でもはっきりしないが、電撃痛のような痛みに襲われ、数か所の病院で、MRIやレントゲン検査を受けるも異常なし。
痛みは、どの方向へ躯幹を運動させても、増悪や誘発すると言う事はなく就寝時突然起こり目が覚めるようです。同時に異様に腹筋がパンパンになるとも仰ります。皮膚の状態から気になったことがあったので、尋ねてみると、喘息の治療をしておられる事がわかっりました。そこで、腸肋筋の付着部の肋骨角に刺鍼をすると、あ~そこですと言う認知覚と呼ばれるポイントがありました。
修業時代、トリガーポイントと言う概念はありませんでしたが、胸が痛いので狭心症の検査をするも異常なし。このような患者さんの背部の筋肉を緩めると、そのような発作が起こらなかったり、ずいぶんマシになると言う経験を幾度もしてきました。その時は、単にア是穴に鍼を打つだけで、筋肉の事など考えていませんでしたが、それなりに効果がありました。
昨日も、ここ数日風邪で体調を崩し、持病の喘息が頻繁に起こるようになった、60歳代の女性の患者さんが、おみえになりました。同じく、肋骨角を押さえると、あ~そこそこと言う認知覚が起こりましたので、丁寧に処置すると、呼吸がとても楽にできるようになったと、喜んでお帰りになりました。
上のような症状は他にも、大胸筋、前鋸筋、etc があげられますが、女性が患者さんの場合、大胸筋や前鋸筋は、デリケートな場所ですから、アプローチできない場合があります。
私がおこなう鍼施術の場合は肋骨角が一番簡単です。浅い刺鍼ですみますし、骨に当てて止める事で、気胸の心配なく安全に施術する事ができますので、第一選択肢に前述したような筋肉からアプローチする事が多いです。徒手治療でも、肋骨角は簡単に探れますので、簡単に応用できますね。
前鋸筋
2が肋骨角