忍者アクセス解析で見ていると、グーグルで ロキソニン 膝 効かない と言う検索で来ていただいてくださっている方が、ちらほらおられます。
以前書いた記事ですので、補足をしたいと思います。
そもそも、膝の軟骨がすり減って痛みが起こるのでしょうか?
長谷川淳史先生のブログ、腰痛治療最前線―アスクレピオスとカデューセウス
http://tms-japan.seesaa.net/article/161765825.html
の記事の中に、英文ですが、変形性膝関節症に対する関節鏡手術が、プラシーボであると言う論文が掲載されています。
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa013259
軟骨と半月板、変形性関節症では、微妙に対象部位が異なりますが、痛みの原因を構造破綻モデルに求めていると言う点では、大きな差はないと思います。
爪を切って痛い人は、まずおられないでしょう。
単純な話、痛みを伝える受容器や知覚神経が爪に存在しない訳ですから、痛くはない訳です。
心臓カテーテルも鼠径部の局所麻酔だけで行えるのは、血管内壁や心臓の内膜に痛みを感じる受容器がないからと聞きます。
内痔核の硬化療法も同じですね。
直腸の内膜(そう呼ぶのかな?)には、痛みを感じる受容器がないから、痔核に直接注射をしても痛みを感じる事は無いそうです。
では、膝の軟骨に知覚神経や痛みを伝える受容器はあるのでしょうか?
私の記憶が正しければ無いはずです。
言いかえれば、痛みの震源地には成り得ないはずです。
もうひとつ重要なのは、軟骨には血管もないはずですから、痛み止めを飲んでも、薬の成分は軟骨には運ばれないはずです。
軟骨のすり減りが、膝の滑膜の炎症を起こし、痛みの原因になるのか?
また、滑膜の炎症が起こると、必ず膝に水が溜まるのか?
この辺りのメカニズムはわかりませんが、あるとすれば滑膜には、痛みを感じる受容器や血管が存在するはずですから、痛み止めが効いても不思議ではありません。
痛み止めが効かない場合、膝に炎症がない。薬が合わない。脳の過敏化。
などが単純に考えられそうですが、一番シンプルに考えれば、膝の周りの筋肉が攣りやすい、凝りやすいと思えます。
こむら返りのような筋肉の強烈なスパズムには、オピオイドと呼ばれる麻薬のような鎮痛剤も効果が期待できないと、何かで読んだ記憶があります。
軟骨がすり減る=痛み=痛み止めの処方。
このような図式は、難しい論文を読まなくても、こうして考えただけでも矛盾が一杯ありそうです。
(私も痛みの勉強中ですので、曖昧な記憶で書き綴っている部分もありますから、文中に誤った解釈があれば、御容赦下さると同時に、御指摘いただければ幸いです。)
カテゴリ:医療情報
ebara / 2010年09月13日(月) 12:08