70歳代の女性の患者さん。
以前から、腰はよく痛くなったが、赤い―マークの脚の部分に初めて痛みが出たと言う事で来院されました。歩きながら、殿部の筋肉を押さえると痛みが和らぐそうです。中殿筋の後方線維などをリリースすると、訴えられる痛みがなくなりスムーズに歩く事が出来るようになりました。
この患者さんは、以前は京都に住んでおられたそうですが、今は離れた〇県にお住まいのようです。数日後には自宅に帰る予定だそうです。自宅近くにはいくつも医院や病院、治療院があるそうですが、どこへ行ってよいのか分からないと仰ります。こちらも、MPSを理解して治療してもらえる施設をしりませんから、どこへ行けばよいか聞かれても困りものです。
ですから、私の院に来られる患者さんには、痛みの事を少しでも理解してもらい、自分で治療戦略をたて易いようにする為に、MPS、トリガーポイント、筋痛、慢性痛症 etc についての資料をお渡しするのですが、資料の作り方が悪いのか?世間一般で行われている構造破綻モデルに基つく診断と、私の話す内容がかけ離れているためか?なかなか理解してもらう事ができません。もちろん、無理強いするつもりはありません。
この方も、地元に帰って痛みに襲われたらどうしようと考えると、不安でいっぱいになり、毎日あった便通がなくなったそうです。痛みをすぐに除痛できても、負のインパクトは、人によってはなかなか消える事はありません。
このような立場の患者さんでも、痛みについて知ろうとしない患者さんのほうが圧倒的に多いかもしません。
同じ事をお話しするのは、治療家として相当なエネルギーも要りますし、中には胡散臭く思う方もおられるでしょうが、MPSや慢性痛症の事が世間で少しでも理解されるように、コツコツと出来る範囲で地道にやっていくしかありません。
カテゴリ:症例報告 ,坐骨神経痛 脊柱管狭窄症
ebara / 2010年07月26日(月) 16:37