60歳代後半の女性の患者さん。
主訴は右手首の尺側(小指側)の痛み。思い当たるのは、台風が来る前にブロックを持ち上げ移動させた時に痛みを感じたそうです。
いずれ治るだろうと放置していたが、一向に良くならないので受診されました。手をついたりするのは問題無いが、重い物を掴むような動作の時にかなり痛み、持っている物を落としそうになるらしい。
まず、痛みが再現されるように重い物を持ってもらいました。明確に、ここが痛いと言うのではなく、この辺りが痛いと言う感じだそうです。手首には目立った圧痛もありません。
TP理論でいけば、尺側手根伸筋があやしいですし、尺側手根伸筋は痛みが出た時の動作とも関連があるように思えます。
うちの院に来られる患者さんは、鍼灸治療に対して理解があるかたばかりではありません。今回の患者さんもそのタイプに入るでしょう。そう言う場合バイオくらいの刺激に押さえて、効果があがる方法を探ります。
痛みが出ているラインを小腸経と考え、まずは陰陽交差で対称となる腎経のゲキ穴の水泉を探ると、かなりの圧痛がありました。そこにバイオイエローを貼って、動作確認をしてもらいましたが、楽にはなったようですが今一つのようでした。そこで、小腸経のゲキ穴の養老を探ると圧痛はありませんが、試しにバイオイエローを貼って動作確認をしてもらったところ、痛みなく持ち上げられるようになりました。
今回の患者さんに限らず、急性期のMPSの場合、井穴にバイオや直接灸、刺絡、経筋 etc痛みを解除するポイントや方法は沢山あります。
今回は敢えてTP理論を無視して尺側手根伸筋への治療や触診はしませんでした。私の場合、患者さんのタイプやその時々の状況で、治療方法の使い分けをしています。
追記、急性期としていますが、慢性期に対して遠隔治療が効果が無いと言う意味ではありません。
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