膝関節の内側の下に半腱様筋、薄筋、縫工筋が脛骨の近位内側にまとまって付着・停止しています。
この部位を総称して鵞足と呼び、この部分に起こる炎症を鵞足炎といいます。
鵞足炎は、いわゆる機械的ストレスによるオーバーユース症候群とされ、ランニング・ジャンプ・ステップ動作などに伴って痛みが生じるようになります。
通常は運動後に発症することが多く、徐々に進行して歩行や階段昇降に伴っての痛みが現れます。
普段、スポーツをしていない人が急にランニングなどのスポーツを始めた場合やX脚、回内足などの下肢アライメントの異常を 伴う場合、骨端線閉鎖前の筋緊張の強い時期などに症状が強く出やすいとされています。
鵞足の緊張が強い場合は、膝関節の完全伸展が困難となります。
鵞足炎と呼ばれる痛みは、大腿にできたトリガーポイントの施術で十分良くなる可能性があります。
しかし、トリガーポイントの施術には、関連痛の理解がないと的確な施術が行えません。
また、関連痛が生じると痛みを感じているエリアの筋肉にも新たなトリガーポイントが発生し、複雑な痛みの構図が出来上がります。
当院では、筋・筋膜性疼痛症候群(MPS)、の考えに基づき罹患筋(りかんきん)を見つけ出し、罹患筋の中にできたトリガーポイントを鍼や道具、手を使って施術をします。
下の図のように、 赤いエリアが痛いと思う場合でも、実際は×のマークが痛みの発生源ですので、この部分の治療が必要です。このような現象を関連痛と呼びます。
【イラスト図出典:『Myofascial pain and Dysfunction The Trigger Point Manual』 より引用 】
http://www.ebara-acupuncture.com/archives/8552
ebara / 2014年09月30日(火) 13:41